ADIDAS SKATEBOARDING

粘着質にもほどがある
──貼りもの

2026.07.24

 スケーターほどステッカーを好む人種を僕は知りません。それは何かと渡し渡されるものであり、表面にプリントされたデザインや文字が情報を発信しているだけでなく、それ自体がコミュニケーションツールとしての役割を担うと言っても過言ではないはずです。名刺の交換ならぬステッカーの交換は社会人になる前の少年少女同士の間でも行われ、その風習は日本国内に限ったものではなく世界各地のスケートシーンにおいて共通して言えることのようです。
 そしてそんなステッカーの持つわずかばかりの威力をスケーターは感じ取り、そこに愛着を持っていることでしょう。デッキやウィール、トラックにベアリングといった各種ギア・プロダクト等にサイズやスペックを表示するべく小さく貼られたステッカー…というかシールまで丁寧に剥がし直して再利用するのがスケーターの習性である。習性といえば盛りすぎかもしれませんが、少なからずの場面でそのように再利用されたシールを確認することができます。具体的な例を挙げてみますと、Spitfireのウィールのパッケージに貼られているサイズを表記した直径1センチほどの小さなシール、おそらく本来であれば捨てられてもおかしくないはずのそれらもシュリンクから丁寧に剥がされ、ステッカーとしてまたどこかに貼り直される。なんて光景をちょくちょく見かけます。
 あろうことかその習性はスケートボード関連物という枠内に収まらず、たとえばハンバーガーの包み紙に貼られたちょっとしたデザインやロゴの入ったシールであったり、レジで買い物した際に貼られるテープであったり、商品に貼られているラベルであったりと、粘着するものを再利用して貼り付けるという行為は生活のふとしたシーンで見られたりもします。というかわざわざそんな行為を好き好んでやるのを見てはスケーターの気質みたいなのをつい感じてなりません。
 個人的に思うのは、デッキだけじゃ物足りなくトラックのハンガーというわずかな空間にもステッカーを貼ったりすることもあるわけですが、あえてそれにハマるような意図も込めて作られるステッカーって、なんかセンスいいよねってこと。そして僕のマイブームといえばトラックのハンガーに、地元のスーパーなんかのロゴの入ったテープを貼ることであります。誰得すぎる話だけど。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



  • BRIXTON
  • Opera Skateboards