金遣いは荒い方ではないはずの自分。「毎月の給料が入ったら、まずは一定額を貯金用の口座に移す。これが貯金の鉄則!」というのを守るようにして少しずつ貯蓄を増やせてはいるものの、やはり何かしらのタイミングででっかく出ていくお金があるのもまた事実。自己投資を言い訳に数年に1度はちょっと無茶をして海外に行ってみたりもするもんだから、3歩進んで2歩下がる、そんな感じ。
どうやらこの国、老後の生活用に2〜3,000万円は必要だそうなんだけど、そんな額を貯蓄している自分の姿がまるで想像できません。ましてやバックヤードにパークの付いたマイホームなんていう典型的スケーターズドリームは叶えられるのか? 何か1発当ててメイクを狙うものなのか? それとも周りの大人を見習って、そろそろ投資について学ぶべきなのか? 周りの人間といえばすっかりスケートボード関係者が9割くらいを占めている自分でありますが、そんな人たちからも投資にまつわる話を聞く機会も増えてきたように感じます。普段アホなはずのスケーターの口から投資について聞く瞬間、そいつらが実は賢い、ひとつ上の大人に見えたりするんだよな。一方で自己投資とやらはただの思い出作りにしかなっていないのというのが悲しき我の実情でございます。
まぁいいんだけど、少し前にとあるスケーターとその後輩スケーターが話しているのをそばで聞いていたことがありました。きっと多くの人が知っているはずの著名なスケーターと、同じクルーの構成員としてこれまた注目度も上昇中の歳下スケーターの会話。ちょっと遊びが過ぎることがあり、日々のフィルミングワークがおろそかになりがちな後輩スケーターを、先輩が諭すように言っておられました。「フッテージってのは貯金と同じなんだから。貯めとけばどこかで使えるものなんだから。それをおろそかにして遊び呆けるのはやめるべきだ」と。
先輩といってもまだまだ20代前半のスケーターの彼。「若いのにしっかり考えているんだな…」と感心したものです。クルーを引っ張る彼の言葉からは重みすらも感じられ、同時に彼らの未来も明るいものになろうことが垣間見られる瞬間でもありました。いや、すでにとんでもないクルーなんですけどね!
先日帰省した際に一緒に滑った、長年沖縄のシーンを引っ張るしーじゃー、三世(伊芸雄一)もこれに近いことを言っていたな〜。地元で彫師として活躍している彼ですが、自分がより滑り、より上手くなり、プロップスを得ることが説得力となり、それが自分にタトゥーを依頼するお客さんの増加に繋がるのだと。それも含めて最近また精力的に撮影、映像制作で動いているようです。どうやら秋頃には1週間ほど関東に潜伏し、彫師としての出張業務と撮影をこなしていく予定みたい。そんな貯金のあり方もまた素敵だよね。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)









