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青空教室
──前代未聞ランプ

2022.03.18

 パークなんかに設置されているランプといえばスケートカンパニーやシーンに協賛するブランドのバナーだったり、そこにやって来るスケーターがステッカーを貼ってみたり…というのが一般的。そのような視覚的な情報は、意識せずとも僕らの頭の片隅に宣伝や広告としてインプットされていくのでしょう。先日、僕の地元にまるで見たことのない情報を放つミニランプが新しく設置されました。それは学習塾の広告が主張するミニランプ。学習塾とスケートボード…まるで縁のなさそうな、対極の位置にあるかに思えるものがどうしてこのようなミニランプを作り出したのか。これはまた今後、スケートボードが世に浸透していくためのいい事例になり得そうなのでこの場を借りてお伝えしてみようかと。
 沖縄・コザにある運動公園の一角にスケートができるエリアがあります。これは長年プロとして活動を続ける才 哲治が自治体に働きかけ、セクションなどを置いて滑るのが許可されたエリア。比較的ビギナーのローカルも多く、ボックス、レール、ジャンランという最低限のものがあるくらいでした。そんな場所に、「若いヤツらにアールも触らせて、どんどん外の世界に出ていける人を増やしたい。オレが昔アールをやらなかった失敗を人にさせたくない」と僕とタメの友達がアクションを起こしてこのミニランプが設置されました。
 その友達は塾講師を本職としているのですが、その塾に通う生徒や卒業生らと一緒に滑ることも多いようです。面白いのがそこで「塾での教育の一貫としてスケートボードを取り入れたい」というダメ元で申請した案が自治体で通り、補助金が下りることに。当初はセクションなどを製作・販売している業者に注文を入れるも予算が大幅オーバー、キャンセルすることに。活動を取りまとめ、自治体へ報告書を提出する期限も迫るなか、セクション作りのノウハウもある才 哲治らの手により製作されました。そこに僕の友達の勤める学習塾の広告が掲載されたというのが今回の経緯。
 コザの街には'90年代から公営のショッピングセンター屋上にパークがあったり、2000年代初頭にも市内の2ヵ所にパブリックのパークがオープン。そしてこのランプが設置された広場。先の才 哲治も市内の商店街で「Skate Club Orion」という室内パークを運営していたりと、スケートボードにかなり理解のある自治体。今回僕の友達がミニランプ設置に至ったのもそんな下地があってこその、ラッキーな例なのかもしれません。しかしスケートパーク建設とまではいかずとも、自治体からスケートの許可が得られたエリアって各地にあるはずです。スケートエリアを獲得し、その場所を守るべく活動しているローカルも多くいるわけです。スケート人口も増加している中、そんな場所を盛り上げていくためのひとつの活動として、このミニランプ製作は新しいやり方を提示してくれたように思います。
 バナーやステッカーがボムされたものと違い、お世辞にもかっこいいと言えないこのランプ。やはりスケートボードで使う器具である以上、そこに施された広告も遅かれ早かれウィール痕で黒ずんでいくに違いありません。ですがそれはローカルが馴染んだ喜ばしい痕跡として今後刻まれていくのでしょう。僕もよく中学の頃バスで通ったその公園。その一角に現在スケートエリアが設けられ、当時からの仲間がアクションを起こしたのはなんとも感慨深いっす。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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