Nike SB dojo | スケートパーク

漢のデモの流儀
──第4回:デモと10発

2013.01.18

 37歳でもまだまだ若い者には負けないと本気で思ってるオレ。いや本当はすべてわかっている、負けている。余裕でぶちのめされている。相手にもされてない。必死に相手にされるように頑張るオレがいる。必死に必死にしがみついていかないと、無敵なヤングたちに遊んでもらえなくなる。

 そうなったらオレはまったくスケートが楽しくなくなる。今言ったヤングとは(池田)コウタや謝花(明徳)や、もうヤングではないが(豊岡)コウセイとか…。ヤツらは一緒に滑ると、必ずオレのトリックに被せ、さらにその上を行き、ニタっと笑う。そのくせ、特にコウセイはオレがハンマー決めると「よかったっすよ今の!」とイラっとした顔で言ってくる。謝花も、オレのハンマー後に自分が決められないと、一見笑ってるが、笑ってない顔になる。そんなところが好きで「ヤツらにその顔をさせれなくなったら、そう感じたら…オレは終了」と思っています。

左の男、横尾志輝(旧姓江原)と神池田には、やられっぱなしだけど、それ以上にあげてもらってます。

左の男、横尾志輝(旧姓江原)と神池田には、やられっぱなしだけど、それ以上にあげてもらってます。

スノーボードイベントにて急遽行なうことになったひとりデモに、助っ人に入ってくれた群馬のユウジにタツヤ。こんな時もあります。

スノーボードイベントにて急遽行なうことになったひとりデモに、助っ人に入ってくれた群馬のユウジにタツヤ。
こんな時もあります。

 でも、彼らのお陰で、毎年毎年なんとか乗り切れる。年末に1年を振り返り、新年を迎えるにあたり毎年まず先に思うことは「去年以上にオレはやってやったぜ」と思えるように新しい年を頑張ろうと。「まだ体は動くんだ! イメージできるんだ!! ゾクッとして~んだ」って思う。彼らにいたぶられるが、たまには刺し違えてやる。そんでニタ~ッと笑ってやろう…。そうさせてくれる力の源に感謝しつつ今年も頑張ろう。

 さて、上に書いた若いライダーたちと絡む現場は、コンテスト、撮影、デモと大きく3つに分けられる。その中だとオレはデモが一番大好きだ(その中じゃなかったら、ツアーがNo. 1ですけど…)。一般のお客さんに向けたデモも、スケートイベントのデモも多くの声援をもらって、身体から力が漲ってくる。同じ技を何度も失敗したら練習と一緒なので、3回やってメイクできなかったら違う技に変更するが、デモのストーリーを最後のハンマートリックに繋げたいので、そう展開していけるように組み立てる。

こんな数のオーディエンスに囲まれれば、ライダーも頑張る以外ありません。

こんな数のオーディエンスに囲まれれば、ライダーも頑張る以外ありません。

夜のクラブイベントには、多くの女の子も黄色い声援を送ってくれます…。オレにではありません。

夜のクラブイベントには、多くの女の子も黄色い声援を送ってくれます…。オレにではありません。

 ラストトリックは文字通り最後の〆なので、そうやすやすとメイクさせてくれない。なので何度もチャレンジする。見てる側は、事故並みの転倒をしてもすぐ立ち上がりメイクにもってくプロセスを見てる訳で、フェイクじゃない本気を感じ、最後には同化するぐらいの勢いでシンクロしてくれる。

 まだまだ日本のシーンはグラスルーツムーブメント(草の根活動)ではあるが、街おこしのイベントやクラブイベント、豪華スポンサーがサポートするイベントなどで生のデモを見たオーディエンスは、必ず歓声と拍手をくれる。

山梨モッシーズのイベント。イベント自体が成功に終わるとみんなの顔がすがすがしい。無論この日のデモは大成功でした。

山梨モッシーズのイベント。イベント自体が成功に終わるとみんなの顔がすがすがしい。
無論この日のデモは大成功でした。

宇都宮の街中デモ! 街おこしに地元ローカルが奮起する姿を見ると、こちらもテンションあがるので、大概こけて、どっかしか流血してます。

宇都宮の街中デモ! 街おこしに地元ローカルが奮起する姿を見ると、
こちらもテンションあがるので、大概こけて、どっかしか流血してます。

 メイクするか、身体が持たなくなって終わるかのどっちかだけど、メイクした時の喜びは他の何ものにもかえられない。大げさではなく、お金では買えない。正直なところ、見てる人がどうこうの余裕はまったくなくなる時もある。

 だからこそ、本気でデモしている時だけが、一番自分に素直になってる。人生で一番まっすぐに自分と向き合ってる時かもしれない。「自分が素直になれる時はデモの時だけ」と思うとゾッとするが、至福の時間を過ごすためにアタックし続けようと思う。

 滑り手はさまざまな思いをもってデモに挑戦している。多くの良き答えがある中に、ライダーはデモにあたり、スケートに対する世間一般の認識レベルを良くしたいと思う気持ちで滑ることもある。こう思ってるライダーは相当達観していますが、実際にこう話す同志は結構います。

デモを翌日に控えた場合は、デモライダーたちで食卓を囲むと、だいたいうまくいきます。理由は、この時点で隣の豊岡と、どっちがカマせるか賭けてるから。大体謝花も乗ってきます。

デモを翌日に控えた場合は、デモライダーたちで食卓を囲むと、だいたいうまくいきます。
理由は、この時点で隣の豊岡と、どっちがカマせるか賭けてるから。大体謝花も乗ってきます。

 「東北のスケーターが伝えたいことを滑って伝えるのがオレの仕事だから、本気で伝えるよ! 豪ちゃん」と発したのは、AirJam2012で並みいるアーティストらに引けを取らない力を発揮しオーディエンスを魅了していた丸山晋太郎だ。気迫にやる気、姿勢、根性、メンタル、まだまだ若手に負けない、いやそれ以前に勝てる若手はいるのかと思わせるほどの鬼気迫る滑りをしていた。震えるほどかっこ良かった。2日間の開催で述べ5万人以上を動員したAirJam2012は、東北ライダーによって、この年に日本で一番スケートを一般のオーディエンスに認識させたイベントだったに違いない。

AIRJAM2012 本番前にアップする東北ライダース。この男 丸山晋太郎がみんなを引っ張っていたことは言うまでもない。頭刈り込んで気合い入ってた。

AIRJAM2012 本番前にアップする東北ライダース。この男 丸山晋太郎が
みんなを引っ張っていたことは言うまでもない。頭刈り込んで気合い入ってた。

ありえない多くの人がセクションのまわりにいるAIRJAM2012。ここで根性見せないと、一般のオーディエンスには何も伝わらない。今後、こんな数の人前でデモなんてあるのかな?

ありえない多くの人がセクションのまわりにいるAIRJAM2012。
ここで根性見せないと、一般のオーディエンスには何も伝わらない。
今後、こんな数の人前でデモなんてあるのかな?

 一般のオーディエンスがスケートのデモを見た。素直な喜びと驚き、遊び、スポーツとしてのスケートの進歩が少なくともその場に居た人たちに伝わったと自分が感じられたら、デモ冥利に尽きるよね。アメリカのような規模のデモが何年後かに日本で開催されることも、大きな夢のひとつとしてみんなで意識していきたいな。

ひとりじゃ何もできませ~ん。仲間が、ライバルがいるから頑張れることだらけのスケート。この写真の8割がAIRJAM2012に集まった東北ライダース、東北背負って、“今のオレたち”を発信していた。デモではいろんなドラマが生まれてた。

ひとりじゃ何もできませ~ん。仲間が、ライバルがいるから頑張れることだらけのスケート。
この写真の8割がAIRJAM2012に集まった東北ライダース、東北背負って、“今のオレたち”を発信していた。
デモではいろんなドラマが生まれてた。

 最後にこれが言いたかった。そしてオレたちは仲間であるが、ライバルでもあるのでデモ中でも戦っています。今年もアントニオ豊岡やジャハーーーーナとの対戦が待っています。池田の神を下界に引き降ろすのも、奇跡のハンマー3連とかださないと無理。天上界からMADPOPでやられるんだ。

 とにもかくにも、オレ、今年も10発もらうが、1発かましたる。

“何か!?”を残せたら、“何か?”を伝えられたら、相手からメッセージ付きでこんなデータが送られてきます。メッセージは載せられないけど…。ありがとう! 山梨アクティブスポーツを楽しもう会  田中会長!

“何か!?”を残せたら、“何か?”を伝えられたら、相手からメッセージ付きでこんなデータが送られてきます。
メッセージは載せられないけど…。ありがとう! 山梨アクティブスポーツを楽しもう会 田中会長!

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