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 スケートフィルミングの特別なところは、撮る側も撮られる側もスケーター…
──第13回:T.P.O.

2013.03.14

 スケートフィルミングの特別なところは、撮る側も撮られる側もスケーターであることが多いということです。もちろんそれは自然なことで、共にセッションするスケーターがいるからこそモチベーションが上がり、撮影するべきトリックが生まれる。これは僕がもっとも理想的だと思うスケートフィルミングです。注意したいのは、この場合にもちろん撮る側もそれなりにスケートが上手くなきゃいけないのか、というとそんなことは決してないと思います。上手い下手ではなく、自分がスケーターとしてセッションに参加する気持ちがあるということが大事だと思います。僕はお世辞にもスケボーが上手いと言われたことがありませんが、この気持ちだけはつねに持っていました。

 話は逸れましたが、ある程度の域に達するとそう悠長なことばかり言っていられなくなります。プロスケーターとして、あるいは一旗揚げてやろうと思っているスケーターは、ビデオパートの締め切りに追われたり、スポンサーされている広告の撮影や露出する機会を狙うべく昼夜問わずトライ&シューティングを繰り返さなければなりません。このような場合は狙い定めたひとつの的を射抜くように、フィルマーとタイマンでトライすることももちろんあると思います。前置きが長くなりましたが、今回はこのような場合のスケーターとカメラマンのT.P.O. (Time 時間、Place 場所、Occasion 場合)についての話です。

 僕はFESNでスケートの撮影以外にライブの撮影も数多くしていました。この時の服装は全身真っ黒です。頭には黒いニットを被り、黒のロングスリーブに黒のパンツ、そして黒い靴です。これは2台以上のカメラで撮影する場合にカメラマンの相撮をカモフラージュするという効果があります。いわゆる歌舞伎の世界でいう黒子です。引きのアングルから撮影された映像の中に近距離で撮影しているカメラマンが映り込んでしまうことがあります。これは引きのアングルを撮影する側からしたら極力避けたいです。なんとなく舞台の袖に太っちょの関係者が見えてしまったような気分になり、現実世界に戻されてしまいます。さらにその時映り込んだカメラマンがテカテカのエナメル質のウインドブレーカーを上下で着ていた場合、どんな気分になるでしょうか。そして一番最初に目につくのはカメラマンです。これは、素晴らしいトリックをメイクしたライダーにとってはとても悲しいことです。では、この逆を考えた場合、ライダーにどのような色の服装を着て欲しいかと言うと、これもT.P.O.ですね。まず、昼間に避けて欲しい色は白系の服装です。これはデジタルカメラの映像撮影処理では白飛びする可能性が高いからです。かなり絶妙に絞りとシャッタースピードを調整しなくてはなりません。でも天気のいい日に白いTシャツって最高に気持ちがいいですよね…。夜はというと、黒は避けて欲しいです。夜の背景色と同化してしまい、ライダーの身体の動きが見づらくなってしまいます。では何色がいいかと言うと、結局は原色系の色がやはりいいと思います。特に夜は相当な照明設備がない限り後ろは真っ黒な場合がほとんどなので、できるだけ派手な色が夜の画にマッチするのではないでしょうか。
 撮影する側もされる側も、時と場合に応じて服装を変える必要があるということこそ、T.P.O.なのです。

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