Special columns written by skaters
スケート識者たちが執筆するスペシャルコラム
DAISUKE MIYAJIMA

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。
伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけば
いいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

第27回:CHIMERA GAMES VOL. 5

 Chimera(キメラ)って一体なんなんすか? という人のためにものすごく簡単に説明するとすれば「多様なジャンルが集結し一度に全部楽しめちゃう野外イベント」という感じでしょうか。さまざまなパフォーマーが集結し、ライブ、コンテスト、デモを繰り広げるなか、参加しているメーカーの各ブースで今まで見たことないようなマイナーカルチャーが簡単に体験できてしまうという点も魅力的。子供連れのファミリーだろうが、若いカップルだろうが、仲間とワイワイスタイルだろうが、どんな角度からも楽しめてしまうイベントなのであります。

 スケートのコンテストも初日は問題なく暑いくらいの日差しのなか無事に終了することができましたが、問題は2日目です。天気予報は午後から降水確率90%という悪魔のような数字をYahoo!天気が発表していたこともあり、少し早めのスタートとなりました。今回はチーム対抗バトルということで、ふたり1組の計8チームで予選を行い、上位の4チームが決勝にコマを進めて戦うという形式。その予選ジャムが終わった瞬間に雨がパラパラ…朝から何度かパラパラ来るのを感じてはいたものの、今回は少し多めに降っているぞ…。

 このまま大雨になってしまうのか? 優勝賞金は「えーとえーと予選で●●チームが一番良かったからそこ…かなぁ~」とか言いながら渡すのか? 寒いな〜。とか思ってたところで一旦雨はストップ。すぐさま濡れたセクションを決勝に残ったライダーみんなで雑巾持ってせっせかフキフキシャキシャキと動き、サクサクと決勝をスタートさせました。が、10分間のジャムセッションの半分くらいを過ぎた頃にまた雨が降ってきました。MCを担当していた僕も危ないと判断し、メインのセクションのちょうどみんなが着地する部分に立ちストップのサインを出したところ、真っ正面からLesqueチームの星野勇大が鬼の形相で突っ込んで来るのが見えたので焦ってそのツルツル滑る着地のポイントを譲ると、うわ~、見事に勇大が鬼スリップして股が裂けそうになっているしぃ〜。ところが他のスケーターや観客からは大きな声が上がっていて盛り上がっているような。あれ…火がついちゃったか? 僕もまあ、もう少し様子見るかと思い、「こんなに危険な状態なのに誰も止まろうとしないぜ~。スケーターはハンパじゃないぜ~! 負けないぜ~」とか適当なMCで切り抜けると、他のスケーターがバンバン突っ込んでくるし、すぐにツルッツルスリップしてスラムしているし、その中でメイクするとめちゃくちゃ湧いてるし、パワースライドでバンク下っている人いるしでアウトオブコントロールになりそうでしたが、雨はさらに降ってきて「もうこりゃ無理だろう」というところでストップをかけると、さすがに観客もスケーターももう満足したようで拍手で終わり、全体的に雨すら味方にしちゃったかのようなスケートのコンテンツでした。

 スケーター諸君の普段の行いが良いのか? それともオリンピックに選ばれたおかげで国の援護が入り天気すらもコントロールしてくれたのか? そういえば今回のChimera、小池都知事がスーツを着たオジさんを20人くらい引き連れてぞろぞろ大名行列のように視察に来ていました。そう考えるとやっぱ小池パワーですかね。2日目の後半のコンテンツは中止になってしまったものもありましたが、小池パワー(笑)でスケートボードはなんとかやりきることができました。

 スケート以外にもさまざまな体験できるこのイベントの楽しみ方はいろんなブースに行って積極的に体験してみるということに限ると思います。僕は個人的にはあのテレビ番組の筋肉番付とかに出ているような、とんでもない高さの跳び箱にチャレンジをしてみたいです。結構自信があるので次回Vol. 6開催の時にはヘルメットを被ってでもガチでチャレンジしてみたいと思います。

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