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Nワード考察
──ANTI-RACISM

2020.06.11

 ミネソタ州ミネアポリスで警官に首を膝で押さえつけられ、黒人男性のジョージ・フロイドが死亡したことによって抗議デモが広がっています。人種差別に対する抗議運動はこれまでも幾度となく行われてきましたが、今回のそれは歴史上類を見ないほどの世界規模。人種差別は非常に根深く繊細な問題であるため、このようなコラムで簡単に取り扱えるテーマではありませんが、フロイド事件を発端としてスケートコミュニティで起きたインスタ上の騒動についてご紹介できればと思います。
 ことの始まりはナケル・スミスがスケートコミュニティにも存在する人種差別について議論の場を設けようと配信したインスタライブ。黒人ではないスケーターが黒人に対して「Nワード」を気軽に使うことが問題だとして、ライブ参加者に意見を求めるのがその目的でした。差別やヘイトの意識はなくとも、黒人に対して「Nワード」を使用するのは基本的にタブー(黒人同士ならOK)。ブラックカルチャーが広まった影響もあり、昨今はその意識が薄れて乱用されているというのがアメリカの現状のようです。
 ナケルが視聴者に意見を求めたところ、ICのケヴィン・ホワイトやマイキー・アルフレッドがライブに参加し、スケーター間で人種差別をされた経験や持論を展開。ホワイトはトニー・ミオラナやジェイク・フェルプスに「Nワード」を投げかけられた経験を暴露(ちなみにミオラナの件は3年以上前の話。当時は酒癖が悪く泥酔状態、現在は反省して断酒。一方、フェルプスはまったく悪気がなく、カジュアルに発していたのだとか)。さらに名前は伏せながら、ある有名なスケーターも「Nワード」を使ったと告白。マイキーに至っては「ヤツらはまず黒人の土地を奪い、奴隷化して黒人の心を奪い、挙句の果てには黒人のみ使うことが許される言葉(Nワード)まで奪おうとしている」と淡々と笑顔で主張。
 このインスタライブは配信終了後にIGTVでシェアされ、コメント欄は瞬く間に炎上(現在は動画そのものが削除済み)。それを受けてミオラナが所属するブランドのボスであるジュリアン・ストレンジャー、追って本人が謝罪(ジュリアンが表舞台で発言、ましてや謝罪するなんて異例中の異例)。名前を伏せられた有名スケーターもインスタ動画で謝罪するという騒動に発展。
 ただし強調したいのは、ここに登場するスケーターは誰もレイシストではないということ。誰も悪意を持って「Nワード」を使用したわけではありません。とはいえ、歴史を通して何世代にもわたり抑圧・搾取され続けてきた黒人のコミュニティからすれば、そんなことは関係ないということなのでしょう。人種差別は過去のものではなく現在進行系で起きているのですから。個人的に「差別用語という名の言葉狩り」に賛同するつもりはありませんが、言われた相手が嫌がったり傷ついたりするならアウト。
 今回の騒動は個人的にいろいろ考え、勉強するきっかけとなりました。日本でもさまざまな差別が存在しますが、黒人に対する人種差別について知りたいという人には『13th -憲法修正第13条-』というドキュメンタリーがオススメ。まずは問題について知ろうという姿勢から。少なくともスケートコミュニティだけは人種差別フリーな世界であってほしいものです。

--MK

 





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