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 もうご存知の方も多いと思いますが、etniesより東京・中野発の映像…
──ETNIES × FESN

2016.03.10

 もうご存知の方も多いと思いますが、etniesより東京・中野発の映像プロダクションであるFESNことFar East Skate Networkとのコラボシューズがリリースされました。このニュースは個人的にも'90年代から一緒に撮影をしてきたFESNとのコラボとあり、特別な感情が湧いてくる一品です。
 本モデルのベースはJameson MT。カラーはフルブラックでスケートに適したレザーを採用し、かなり男らしい仕上がりになっております。そして、誰でも「何だこれは!?」と驚くこと必至の、サイドにエンボスプリントされた日の丸。海外ブランドのアイテムのデザインに日の丸を使用するという非常に大胆な試みはFESNならではでしょう。そして、それにGOサインを出して商品化したetniesにもリスペクトです。本モデルを着用の際は、FESNのディレクターを務める森田貴宏のように、つねにフルプッシュでお願いいたします。
 ということで、etnies × FESNのコラボモデルと併せて、FESNの最新オンラインビデオ“Dub in Niigata”、そしてUKのスケートメディアであるKingpinに掲載された森田の最新インタビューを日本語訳でどうぞ。

--MK

 
DUB IN NIIGATA

 
KINGPINインタビュー

Kingpin(以下K) まず、あなたがスケートや撮影をする際に単に大きなステアやキンクつきのハンドレールなどを探さないのはなぜですか?

森田貴宏(以下M) 多くのみんなが現時点でトライしていることにあまり興味はないです。僕はつねに新しいことを探したい。純粋にやりたいと思ったことしかトライできませんし、僕にはそれしかできないのです。

K なぜそこまでスケートや映像制作を複雑に捉えるのですか?

M 映像制作に関して言うと、できるだけ多くの可能性を示唆することでそれが長い時間楽しめる作品になると信じているからです。今は無理でも10年後、100年後、気付けることがあるような作品を心がけて作っています。現在の評価などは僕は気にしない。僕が尊敬し、影響を受けた作品とはそういうものだからです。

K 日本ではシェクラーやナイジャのような、マッチョなスケーティングにも注目が集まっていますか?

M 集まっていると思いますよ。僕たちの周りでは、ほとんど話題にはのぼらないけど(笑)。

K 少なくとも外から見ると日本ではクリエイティブなスケートが盛んな印象があるのですが、その理由は何だと思いますか? 日本人スケーターは既成概念にとらわれない人が多いですか?

M そんなことはありませんが、ビデオを制作しているスケーターたちはクリエイティブな意識を持っている人が多いと思います。YouTubeなどでそれらが露出される機会が多いのであなた方もそのように感じられるだけだと思います。でも私たちは相変わらず、どこへ行っても少数派ですよ(笑)。

K 『通りゃんせing』に収録されていた自転車とスケートを組み合わせるというアイデアはどこから来たのですか?

M これは大竹拓巳というライダーが自身のスタイルとして考えだしたアイデアでした。撮影当時、拓巳は仕事が忙しく、なかなかスケートすることができない状況でした。いつも仕事には自転車で通っていたために生まれたアイデアだったそうです。

K 『Real to Reel』でゴンズがバイクに乗ったマックス・シャーフをオーリーで飛び越していたのを思い出しました。ゴンズとマックスのようなダブルスをひとりでメイクできそうですか? まず自転車で走り、スケートに乗り移り、勝手に進む自転車をオーリーで越える。どうですか?

M とてもいいアイデアをありがとう。トライしてみるように拓巳に伝えておきます(笑)。

K あのパートを観た後に感じた印象は、フィギュアスケートのペア演技に似ているということです。彼はこの自転車のスタイルを貫いて新たなトリックを編み出していくと思いますか? それともこれは今回限りですか?

M あなたこそとてもクリエイティブな視点でものを見てくれていますね。そのあなたの視点を取り入れれば、またさらに新しいものに繋がると思います。当初自転車のスケートは今回限りのアイデアだったのです。でも未来は誰にもわかりませんよね。だけども我々で新しい未来を作っていくことはできるのです。とてもいいアイデアをありがとう!!

K 日本のスケートシーンは他の全世界のトレンドを追うことなく独自のものを作ろうとしているように見えます。そうだと思いますか? そうなら、それはなぜですか?

M 少なくとも私たちFESNはそのように考えています。“好きなようにやる”と“楽しくやる”に最も重点を置いてるからです。

K スケーターがユニークであることの重要性についてどう思いますか?

M っていうか、そこしか僕たちは見ていない。それが個性ですから。はい(笑)。

K 日本のシーンではカウンターカルチャーとしてのアプローチはまだ重要とされていますか?

M それは全くない。ナンセンスだと思う。これからは社会にとってどのような役割をスケートボードが果たせるかが重要なことだと思う。

K スケートは日本の社会にどう思われていますか?

M スケート全体ではどうだかわからないけど、オレたちのやっているストリートスケーティングは相変わらず迷惑行為だと思われているかもね(笑)。だから世間に少しでも楽しいものだと思ってほしくて僕たちは今の活動をしてるんだ。

K 宮城 豪がG-SHOCKのイベントでジャッジをしているのを最近映像で観ました。ハンドレールでハンマートリックを攻めるコンテストのジャッジを彼が務めるという対比についてどう思いますか?

M う~ん…。それは主催者の人たちに聞いてみないとわからないな(笑)。有名人がジャッジしてると大会としてもいい感じなんじゃない?(笑)

K ではスケートが東京オリンピックの正式競技になるかもしれないことについてどう思いますか?

M 最高でしょ!! 子どもたちに夢ができる!! スケーターが増えたら未来は明るいよ!! 近い将来、スケーターが大国の大統領になったりして、世界を動かすようになったとしたら戦争は今より少なくなると思うんだ。オリンピックはそうしたことに向けて影響のある出来事だと思うよ。まあ、お祭りだよ。勝ち負けなど気にせず、みんなで楽しもう!! オレたちはスケーターだろ?

K スケートで他とは違う独自の道を発見するインスピレーションはどこから得ていますか?

M たくさんの人と出会い、たくさんの意見を知って、たくさんのストーリーを知る。そして自分でもその一部を体験する。どんなことからでも、自分が心を揺さぶられる経験が今の僕のインスピレーション。家族、仲間、音楽、映画、学問、歴史、宗教、スポーツ、そして芸術。僕の最大のインスピレーションはそれらすべてにある。

K 日本の社会、そして世界を良くするためのスケートの役割は何だと思いますか?

M 本来スケートボードの役割は単なる暇つぶし。そして遊びだと思います。人間が社会生活で絶対的に必要な衣、食、住の3つの項目の中に、僕たちにとって“遊”を意味するスケートボードはありません。ですが、僕は“遊”こそ人間が心を豊かに生活していく上で最も重要な役割だと思うのです。お金がいくらあっても人間の欲望は尽きない。ですが私たちスケーターの心はスケートボードがあるおかげで豊かに保たれていると信じています。
 今の学校教育は、現在の競争社会をどう生き抜いていくかを教える教育を行っています。そして同時に戦争は醜悪なものとしても教えます。しかしいくらそのような教育をして、歴史を勉強しても、その根本であるこの競争的な社会体制を変えていかない限り、戦争は終わりません。不思議な教育をしているのです。だからこそ僕たちスケーターが協力して、現在の社会に何が一番大切で、重要かを説くことで世界を変えることは可能だと思うのです。もちろんそれには長い時間と大変な労力が必要なこともわかっています。しかしながら、僕たちは日々のスケートセッションで、お互いを讃え合い、認め合い、そして助け合うことを教わりました。現に僕たちが発信したメッセージをこうしてあなた方海外のメディアが、営利目的とは関係なく、スケートの未来を共に構築してくという役割と責任を持って共に発信してくれているじゃないですか? それらはすべて、僕たちが愛するこのスケートボードに対する責任と情熱、そしてスケートボードに対する恩返しだと思うのです。
 僕はこのスケートボードによって救われたひとりです。スケートボードによって多くの仲間ができました。そしてそれら多くの仲間から助けをもらってここまで生きてきました。平和な世の中でしか“遊”は存在できないのです。人殺しの現場である戦場ではスケートボードは意味を持ちません。今後このスケートボードという文化的運動は教育の中でその効果を発揮すると信じています。僕たちスケーターのスケートボードに対する本当の愛が試される時がもうすぐそこに来ているのです。僕はそのように考えています。このインタビューの機会を作ってくれてどうもありがとう!!

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