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Maite Adimatic Mid - adidas skateboarding

ブラック・スケーターズ・マター
──MUSKAREEM

2020.10.05

 テニスの全米オープンで、大坂なおみのBLMを支持するマスク姿が大きな話題となりました。世界的に人種差別に抗議する市民運動の行方に注目が集まっていますが、スケートコミュニティでも今年6月にチャド・マスカが自らの影響力を使って問題提起をし、ちょっとした話題になったことがありました。今回はその件について。
 ことの始まりはスケートコミュニティの偉人の功績を称えるSkateboarding Hall of Fame(スケートボードの殿堂)。これはSOTYと同じくらい名誉ある賞なのですが、今年の殿堂入りリストにマスカの名前が入っていました。しかしマスカは殿堂入りを辞退。本人いわく、彼よりも先に殿堂入りを果たすべきスケーターがいるとのこと。そしてそのスケーターこそ、最近表舞台に再び現れたカリーム・キャンベル
 '90年代にストリートスケートが登場するまで、スケートのイメージは主に南カリフォルニアを中心とした「白人の遊び」というものでした。というのも、もともとスケートはサーフィンから派生したもの。サーフィンをするためにビーチの近くに住み、サーフボードを購入するためにはそれなりに裕福でなければならない。'80年代にはパークが次々と閉鎖したことで行き場を失ったスケーターがバックヤードランプを設置するようになりましたが、そうするためには裏庭のある一軒家が必要。つまりスケートをするにはそれなりの経済力を要したのです。そうして貧困層の有色人種にはスケートをするという選択肢がなくなり、自然とスケートには「白人の遊び」というイメージが定着。
 ざっくりですがスケートの歴史にはこのような人種に関する背景があるのですが、どこでも滑ることができるストリートスケートが登場したことで、メキシコ系、アジア系、黒人といった経済的に豊かではない層のスケーターが増加。マスカが活躍したのは、スケートコミュニティの人種的な多様性を実現したこのストリートスケート。そして殿堂入りの歴代リストを見てみると、その多くが白人だったとのこと。しかもマスカよりも遥か前にシューズデザインを手掛け、ブランドを立ち上げて活躍したカリームがリストに入っていない。スケーターとしても実業家としても影響を受けたカリームよりも先に殿堂入りを果たすことは絶対にできない、殿堂入りは人種的にもっと多様であるべきということで、今回の辞退という判断に至ったというわけ。
 個人的には殿堂入りを辞退せずに受賞スピーチで言いたいことを言えばいいのに…とも思いましたが、どうしても我慢できなかったのでしょう。これが今年のSkateboarding Hall of Fameで起きた出来事。ちなみにマスカは自身のボードカンパニーの発足をアナウンスしたばかり。これからどのような動きを見せてくれるのか。そちらも気になるところです。

--MK

 




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