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アリ・ボウララに捧げるオマージュ
──THE LYON 25

2016.02.15

 ここ最近でもっとも大きな話題となったのが、Thrasherにて公開されたJAWSことアーロン・ホモキがフランス・リヨンの有名スポットである25段のステア、通称“リヨン25”に挑むドキュメント映像。このスポットが初めてスケートシーンに登場したのは、Flip『Sorry』でアリ・ボウララがオーリーをトライして思い切り散る映像が公開された2002年。
 その映像を観て衝撃を受けたJAWSは当時まだ13歳。いつかこのステアを仕留めたいと思い、2014年に実際にトライしにフランスはリヨンへ。しかし、ファーストトライで左膝の内側側副靱帯を断裂。全治半年〜8ヵ月という重傷を負ってしまうという悲惨な結果に。
 その翌年、膝を完治させたJAWSは諦めきれずリヨン25を再訪し、このチャレンジのきっかけを作ったアリを現場に招いて再トライ。警備員に阻止され、着地の衝撃でウィールが外れ、さらにはウィールバイトを防ぐためワックスの代わりにデオドラントをデッキに塗り……そうしてようやくメイク。
 25段のステアを攻略したという事実はもちろん素晴らしい偉業ですが、このリヨン25のチャレンジがなぜこのようにドラマチックにフィーチャーされたのか。それは、トライのきっかけとなったアリには、かつて酔っ払ってFlipのチームメイトとだったシェーン・クロスをバイクの後ろに乗せて事故死させ、自身も大怪我を負い、トラウマや以前より抱えていたドラッグ中毒の問題などが重なりプロスケーターの道を閉ざされてしまったという悲劇的な背景があり、そんなアリのためにもこのスポットを攻略したいと熱望したJAWSの姿勢があったこと。また、JAWSのメイクによって、カールスバッドギャップ、EMBのゴンズギャップ、LOVE PARKのファウンテンギャップ、ウォーレンバーグのビッグ4などと同じく、リヨン25がスケート史に残る名ハンマースポットの仲間入りを果たしたこと。さらに言えば、13年前の13歳の頃にJAWSがアリの衝撃映像を観て触発され、25歳で25段のステアをメイクしたという数字にまつわる神がかりな偶然があったからかもしれません。
 ちなみに、この驚異的な偉業を達成したJAWSは、今春予定されているAsphalt Yacht Clubのジャパンツアーで来日するかもしれないという噂。とりあえず、まだこの手に汗握るドキュメントを観ていないという人は今すぐチェックしてください。ハンパありません。

--MK

 


JAWS vs リヨン25。


アリ・ボウララ vs リヨン25。

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