VOL. 068
今週紹介するのは懐かしの『Chomp On This』。2002年のリリースとなるこの作品は基本的にフォトグラファー、シネマトグラファーなど業界を支える裏方的な方々がメインの作品です。このコンセプトの作品はこれが最初で最後かと思われます。一言でいうとそれほどフォトグラファー、シネマトグラファーたちの滑りはスキルフルではありませんが「スケートに行きたくなる、そしてスケートボードって素敵だな」と思う作品です。とにかくこのビデオはゲストで出てくるスケーターが豊富でかなり楽しめます。みんながみんな、いい感じの脱力感というか、他の作品では見せないようなトリックや意外な素顔というか一面が伺えるアットホームさがとってもナイス。特に後半に出てくるジェイミー・トーマスがこの作品で一皮むけたようなオリジナリティ溢れるトリックを何点か披露してくれていて、少し前までの商業ベースのスケートブランドオンリーの着こなしから一線はみ出てくれてかっこいいです。でもいつの時代もどの作品を見ても、そこらへんのことには何のおかまいもナシのようなゴンザがここでもいいフッテージを見せてくれます。そして「このビデオを見てファンが増えたのでは?」といったらブランドン・ビーブルではないでしょうか! あのノリノリっぷりといいラインの意味のない動きなどグッときました。そしてこの作品のトリを飾るマット・マンフォードのパートはかなりの説得力です。この作品は何というかひとつの連帯感というか、スケート業界を支えているフォトグラファーやシネマトグラファーも僕らとかわらないスケートバカだということに再確認させてくれます。彼らがああじゃなきゃいい雑誌や映像作品も作れないのだろうな、と再確認しました。
words by Yuh Yanagimachi
『Chomp On This』
編集部私物