Nike SB dojo | スケートパーク

遠い昔、それはまだみんなが極端に太いバギーパンツやXXLのネルシャツやラガーシャツなんかを…
──AIR CATCH

2017.01.27

 遠い昔、それはまだみんなが極端に太いバギーパンツやXXLのネルシャツやラガーシャツなんかを身に着けて夢中でスケートに取り組んでいた頃、回し技(いわゆるフラットトリック)に限って言えば、そのトータルの完成度についてはそれほど厳しい視点はありませんでした。トリックの難易度に関しては当時すでに複雑を極めてはいましたが(フロントフット・インポッシブルとかスイッチ全般)、まずはとにかく乗れることが重要視され、いわゆる「高さ」のクオリティに対する要求はそれほどなかったように思えます。しかし時代は変わり、複雑なフラットトリックでステアにチャレンジしたり、高さのあるレッジに回し技を組み込むような流れが確立されたことで、それまではイケてるとみなされていた「ドライブ(180系のフラットトリックを着地と同時のタイミングを狙い、90度くらい意図的にスライドさせてメイクする方法。和製英語)」は無言の圧力を受けるようになり、回転するデッキを空中でしっかり捕まえてメイクする「エアーキャッチ」という概念がクールさの象徴としてその地位を不動のものとしました。
 そしてどう頑張ってもこの時代の流れにうまく乗ることができなかったスケーターたちは自らの能力の限界を思い知らされ、悲しいかな失意のうちにフラットトリックを敬遠してしまうようになり、気がつけばフラットトリック難民として時代の荒波の中をさまよい続けて今に至るのであります。そんな悲しいパイセンスケーターはきっとみなさんの周りにもひとりやふたりはいることでしょう。もちろん僕もそんな悲しいフラットトリック難民のひとりです。
 まぁこんなことを書き連ねていても切なさは募る一方なので、今日は違うエアキャッチの話題をひとつ。みなさんはこれまでにスケートの最中に飛ばされたキャップを見事に「エアーキャッチ」したことがありますか? 僕はありますがこれが結構気持ちいいんです。特に完全ブラインドサイド方向に飛んでいったキャップを目測なく伸ばした手でがっちりキャッチしたときの快感はブザービーターにも匹敵するのでは? と個人的には思っています。
 ちなみに今回紹介している映像の中で、ウェスさんはキャップをキャッチし損ねてますが、これほどのハンマーに取り組んでいる時にそんな余裕があるわけないことくらいは僕にも分かります。でもメイク時の映像をよーく見ると、ウェスさんが左手でキャップを掴もうとしているように見えるのは僕だけでしょうか?

─Takayuki Hagiwara(FatBros

 

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