ADIDAS SKATEBOARDING

歯切れの悪いパクリ問題
──看板

2026.02.20

 真冬と思えぬほど暖かくなった2月の中旬。近場のパークでは上裸でスケートする猛者も複数見られるくらい。上京してそろそろ20年、思えば寒さに心折れそうになるこの時期に上裸でスケートする人を見るのは初めて。アッツぅ〜!
 そんな折に「アッツぅ〜!」なインスタストーリーを目撃、主は西東京スケーターの某M〜くん。どうやら歯医者さんの黄色い看板が交差点に並ぶ様子にぶち上がってる様子。そう、歯医者さんの黄色い看板といえば、きぬた歯科。お世辞にもパリッとした感じが出るでもない、立場のある人物にも見えない、見るからに普通のおじさん(院長先生)がうすら笑みを浮かべる写真と、「インプラント」「きぬた歯科」「西八王子」とシンプルに文字と色合いだけで訴えかけるあの看板。中には顔写真だけのものも。首都高とか走ってるとよく見かける気がします。あの看板戦略が功を奏し、話題や集客へと繋がり、特集された記事やインタビューも度々見かけるのでピンとくる人も多いことでしょう。
 そんでここしばらく気になっていたのが、これをそっくり真似しただけの歯医者看板の多さ。きぬた歯科の看板が連打的に鎮座していたはずのあの首都高沿いのエリアも、今は別の歯医者の看板にとって代わりました。それもフォーマットをまんまパクっただけの看板がね。首都高沿いのみならず今や各地、地方に出かけてもあのフォーマットで文字と人物だけ差し替えたような看板を度々見かけます。これいかがなものか…などと思いながら僕は見てたのであります。そんな時に例のストーリーですよ。交差点の角にこれでもかと言わんばかりに4つ5つと並んだきぬた歯科の看板。「他社の追従を許さない」とはまさにこのこと、これは各地に増殖し過ぎたパクリ看板に対するひとつのアンサーにも思えてスカッとしたんです。これを機に調べてみたところ、そこの院長先生、そんなパクリ看板にモヤっとしつつも、それが増えたことで自社の客数増加に繋がっている部分もあるらしく、パクリ歓迎、法的措置は取らないスタンスらしい。最近では正式なコラボレーションとして、マクドナルドをはじめ異業種もそのフォーマットを活用した看板を出してるのも話題となってますね。
 しかしパクリ広告ね! こんなんばっかだけど、これスケート業界でやってみようもんなら即ディスの対象になるよ。リスペクトや敬愛、もしくはギャグ的なやり方でパクる…というかオマージュ、パロディと呼ばれるものこそ稀に見られるもので、それはそれで刺さるスケーターに刺さるものとなってるんですが、単なるパクリはワック、ファ●ク。同業他社であるほどなおさら。何かを自信を持って訴えかけるのなら、オリジナルで勝負して欲しいもんだよ。スケートシーンとデンタルシーン、まったく畑の違うところから僕がどうこう言ったところでって話なんだけどね。
 さて冒頭の某M〜くん。少し前まで新宿中野界隈に住んで活動してましたが、地元である西東京に帰り、相変わらずスケートと釣りに勤しんでは何かを企んでるという話もあるとかないとか。その時彼はいったいどんな「看板」で訴えかけてくるのでしょうねぇ〜。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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