
あくまでも自分の推測なのですが、スケートのレベルが高い国・地域ではより生活にスケートボードが密接しているんじゃないかと。どういうことかと言うと、スケートボードが単純にストリートやパークに行ってトリックをキメるだけのものではなく、人それぞれのやり方でスケートボードに向き合うことができる身近な存在であるということ。例えば移動手段としてクルーザーを愛用していたり、使わなくなったギアがインテリアやアートとして再利用されていたりと、スケートボードを普段の生活の中に取り入れようとする試みが活発。これはもちろん日本でも見られる光景ではありますが、アメリカなんかに行くと実に多くの人間にスケートボードが受け入れられているのを感じることができます。そしてその奥行きの深さに「こんな楽しみ方もあるのか!」と驚くことも少なくありません。だからこそスケートを楽しむノウハウも蓄積されているわけで、たとえばそんな有志らが集まれば気がつきゃモンスター級のDIYパークが出来上がっているのかもしれません。かくして人々がスケートボードと接触する機会も増え、より密接した生活も可能になってくるわけです。そしてまた多様なバックボーンを持つスケーターの中から才能に恵まれた人が上に行き、またひとつスケートのレベルを底上げしてくれるのです。
昨今の日本国内シーンのレベルが急上昇しているのはご存知の通りですが、やはりそれに伴い「スケートボードがより身近な存在として受け入れられてきたな」と感じることが最近またひとつありました。それは講談社発行の月刊漫画雑誌、ヤングマガジン サードにスケートをテーマにした漫画が新連載。タイトルは“SKETCHY”、しかも主役はガールスケーター。このような漫画が連載されるなんて想像すらしていなかった上、“SKETCHY”なんてほぼスケーター界隈の人間しか使わないような言葉がタイトルですからねぇ〜。実は著者のマキヒロチ自身がスケーターであり、以前お話しする機会もあったのですが、今回連載を始めるにあたって多くのスケーターとの接触を重ねた上で構想を固めていった模様。これからのストーリーが気になって仕方がありません!
またいつかの将来、世界で活躍する女の子のスケーターがインタビューで「漫画“SKETCHY”がスケートを始めたきっかけです」なんて答える日もやってくるのかもしれません。なのでスケボーやってみたいけど今一歩踏み込めずにいる老若男女のみなさま、やるならまさにこのタイミングですよ〜(っていうかスケートやったことないような人はこの記事までたどり着かないかw)。
─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)