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──フィルマー目線

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 少なからずスケートボードの撮影をする機会に恵まれてきました。自分に関して言えばほぼほぼ撮られる側。まれにフィルマーを撮影したり、2カメ役としてカメラを持つこともあるのですが、まぁ上手くできるわけもなく、「撮れてるだけOK」てな感じでしょう。興味ないわけじゃないですが、自分にはフィルマーとしての道はないのだと思う。
 フィルマーだったり、そうでなくとも撮影に関するの知識がある人って、ヤバいスケーターとはまた違ったヤバさがあると思うんすよね。「この映像はあの機材を使ってる」「画角がどーのこーの」「使用機材バレしないように、自身の影が映らないような追い撮りしてる」とかって話は度々聞くのですが、正直まるでわかりません。おそらくそれは「職業病」とも呼べそうなもので、普段フィルマーとしてやっているワケではない者からすれば当然のことなのだと思いたい。
 さらには撮れた映像を取り込み、編集なんかするわけだ。そこらへんからは、まるでモームリ。PCのスクリーンいっぱいに広がる編集画面とやらは、無知な自分からすると見てるだけで頭が痛い。つくづく思うんですよ、「オレはフィルマーになれっこない、そもそも性にも合ってない」と。そんなこんなで、せっかくスマホで撮るだけ撮ったのに、アプリで編集することすら面倒で、アップされることのないクリップだっていくらかあるのですよ。
 先日とある同世代のスケーター/フィルマーとしばらく雑談を楽しみました。なんでもスケートのフィルミングに関して思うこともあるようで、それは僕らに植え付けられている固定概念のようなものを壊してくれるみたいでつい聞き入ってしまいました。まず機材について。VXやHPXという機材がスケートの撮影の定番なのは自分でも知っていますが、もはやHPXもなんら新しい機材でもなく、より良い機材なら他にもあるということ。「確かにVXやHPXで撮影する様はそれっぽくてかっこいいものだけど、たとえば最新のiPhoneがあるのに一昔前の型のiPhoneでひたすら撮影しているようなもの」と。もはや業界ではコレだから、という型にハマったにすぎないものだと。次にレンズ。もう生産されてなく、弾数も極端に少ないがゆえ恐ろしく高値で取引されるCenturyのレンズ。おそらく国内でも数名程度しか持っていないもので、そのレンズがあることでフィルミングの仕事に直結しやすくもなる。世界基準でそう。「ということを踏まえてもそのレンズに莫大な費用を払うのはどうなんよ!?」「この風潮早く変わってほしいと思うのはオレだけじゃないはず」という意見。これらの話は目から鱗というヤツでした。だって、「HPXもCenturyのレンズも、すべてのスケートフィルマーが目指す最高の地点なんでしょ?」っていうのが僕の固定概念だったから。
 なるほどなるほど。おかげさまでこれまたひとつ、知見を広げることができました。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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