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 ファイヤークラッカーとは、階段のヘリにテールを当てつけながら降りるあのトリック。ストリートスケートにおいて必修科目であるオーリーの技術を使うことなく成立する数少ないトリックのひとつであります。ラジカルでヘッシュ、1段また1段とテールが「爆竹」みたくパチンパチン音を鳴らしながら降りるこのトリックは耳にも心地良く、何よりもそれをやっている本人が「気持ちぇーっす!」ってなるのです。比較的簡単というか省エネ、階段さえあればできるトリックなので、「そんなの知らなかった!!」というビギナーも是非マスターしてみてくださいませ。
 テール側のグラフィックを削り、一見ダサく見える縦キズを入れてしまうのもこのトリックならでは。それでもビデオパートでラインの最中に軽くファイヤークラッカーを仕込んでくるスケーターもいるわけで、僕はもうそれだけでスキモノ臭を感じてしまうのです。さらなるファイヤークラッカー上層階級者ともなればハードなスポットで、観る者の目と耳を楽しませてくれる。オーリーよりも簡単なトリックながら、10段以上のステアでそれをこなせる人はそう多くない、そんなトリック。第一線での活躍はそう長くはありませんでしたが、そのニックネームがそのままトリック名ともなった「ラグドール」ことアンソニー・スカラメア、ファイヤークラッカーからの回しなど斬新な動きを見せたリッチー・ジャクソンなどはその名手として記憶している方も多いのでは。両者とも並々ならぬスキルはもちろん、アクの強いトリックチョイスやオリジナリティを持ち合わせ、さらには独特の風貌も相まってインパクトを与えました。そんなスケーターにより昇華されていったこともあり、こうしてスキモノトリックとして定着したわけです。
 なお厳密にはファイヤークラッカーと呼べるかどうかはさておき、ストリートでプッシュしながらそこらにある5センチ10センチの段差にあえてテールを当て「パチコーン!」とイイ音を響かせるあの動き。あの甲高い音を上手く鳴らせたときの快感ったらありません。パークで習得するようなトリックではありませんが、そんな小さな快感を得られるのもストリートならでは。いくら締め付けが厳しくなろうとも「ストリートこそ一番スケートが楽しい!」と思わせてくれる理由なのかなと思うところであります。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 





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