台風一過の初秋の晴天続く今日この頃、みなさんいかがお過ごしでしょうか? スケートをするのに最高の季節がやってきたわけですが、宵の寒さ対策は怠らないようにしましょう。酷暑のダメージと、夏に任せて少々飲みすぎたビールによる肝機能のダメージはまだ僕らの身体に残っています。それが引き金となり、思わぬ体調不良に陥ることがある季節でもあります。健全な創造力でスケートを楽しむためにも、健康な身体でいることは大事なことですね。
スケートボードとは、基本的には何処でも楽しむことができるものであり、またそうあるべきであって欲しいもの。この根本的に自由であるということは、スケートボードというものを構成する上での大事な要素です。街でスケートができる場所を見つけ、そこをスポットとして成立させるときに働かせる創造力や工夫、または野生の勘とでも言いましょうか、そういうスケーターに必要な目には見えない力を養ってくれるのが街であり、自分の街のホームスポットというところは、自分の力で見つけ出した宝物であり、長い月日を過ごした場所が持つ特有の安心感があるように思えます。
そんなわけで今回紹介するのは、Clichéの永遠のキャプテンでありフランスを代表するスケーター、JB・ジレットのホームスポットをご紹介。
フランスはリヨンという街の市庁舎周辺に広がる広場らしく、映像にもあるように彼は20年近く前、etniesの『HI 5』というビデオに登場し、アメリカのスケーターたちも驚くようなスキルをこの地元スポットで見せつけて、その存在感を世界中に知らしめました。その後に発表された映像でも、リヨン市庁舎でのラインは必ずといっていいほど確認できました。そんな彼は今でも地元のスポットを華麗に攻めています。フラットやベンチの角は損傷が激しいところもあり、後付けでL字が設置されたりもしていますが、観ているだけでもホームが持つ特有の空気感を感じることができます。
そんなこのリヨンのスポットにも、ロンドンのサウスバンク同様に再開発の話が持ち上がっており、数年後には姿を消してしまうかもしれないようです。かたちあるものに終わりの時が来ることは自然なことであり、潔く受け入れなければならないのかもしれません。しかし僕らスケーターたちにとって、スポットは文化的遺産であり、世界との関わり方を教えてくれました。この遺産を後世に残せないことへの敗北感に似た感情は、僕らに重くのしかかります。
--TH (Fat Bros)