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──KEEP OUR SPOTS ALIVE

2020.05.08

 各地のスケートショップにてコンプリートやギアが売れまくっているという話は前記事にてお伝えした通り。外出して見るかぎり、実際にスケーターが至るところに増えてきているように思います。あちこちで、少年少女から子供を連れた中年のおじさんまで、あれこれトライしている姿が見受けられます。これぞオリンピック効果か、それともコロナ禍の影での隠れブームの勃発か、もしくはその両方か。
 7、8年ほど前にペニーが爆発的なブームとなりましたが、「もしやそれ以上…?」なんて思えてくるほどです。トリックやシーンがあまり確立されておらず、主にプッシュを楽しむ以上の発展を迎えることなくブームもひと段落したペニーですが、なんたって現在起きているバブルはメインストリームのスケートボード。トリックの進化のみならずさまざまなカルチャーを巻き込み拡大してきたこの世界にひとたび足を踏み入れては最後、僕たちのような中毒者たちもまた増えていくのでしょう。なんだかアウトローでアングラ、ようするニッチな世界から新たなフェーズへと成長していくのが感じられます。たとえばプッシュですれ違えば知らないヤツでも軽い会釈を交わすくらいの小さなコミュニティも良かったものですが、今のスケートシーンを見て「昔は良かったのにな…」ってばかりな退屈なヤツにはなりたくありません。でっかくなっていくこのシーンはもはや希望の塊。分母が増えればそれだけいいスケーターも輩出されるし、インダストリーも強くなる。スケボーが普通に認知されてて羨ましい…と憧れていたアメリカのように文化として定着することも期待できます。
 一方で、大きく取りだたされているのがスポットでのマナー問題。ここ最近もスポットの窮状を訴えたSNSを見た方も多いことでしょう。各地からスポット存続の危機を訴える投稿が相次いで見受けられます。もしかするとスケートボードに対して好意的でない自治体がこの状況をチャンスとばかりにスケーター排除へと動き出したかのようにも見えるってわけ。各地から大小さまざまな問題がアップされるのを目にしますが、共通するのはゴミ&喫煙問題と、近隣の住民・歩行者に対する配慮のなさ、そして最近では閉鎖中のパークへの侵入行為。おいおい一体どうなってるのよスケーター? 基本はみ出し者の集まりでも、情緒と思いやりだけはあったはずだろうよ兄弟。タバコを吸える場所に移動するのも、ゴミをゴミ箱へ入れるのも、オーリーするより容易いよって。特に年配スケーターが率先してクールに立ち回らないと、キッズが真似しちゃうから。当たり前のことですが、まずはローカルがゴミや吸い殻などを放置せず、キレイに使うことが肝心。クリーンなパークやスポットを敢えて汚そうとする輩はいないはずです。「ルールは破ってもマナーは守るぜ」という名言がありますが、拡大を続けるスケートシーンにおいてもこの言葉の意味を改めて投げかけてみたい。
 一部のマナーを(敢えて)守らない人へ。スポットがRIPするよりも恐れるべきは、その場所をウン十年も守ってきたオジサンスケーター。いつも笑顔で優しいけれど、怒らせたら怖いのは普段は物静かな人たち。暴力がはびこっていた時代をだてにサバイブしてきていませんからね。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 





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