Heroin Skateboardsから、巷で噂の(?)新作DVD『Magic Sticky Hand 2』がリリースされました。前作『Bath Salts』が2015年、前々作『Video Nasty』は2013年に発売。本作は『Bath Salts』以降に加入したニューライダーの紹介を兼ねた形でのリリースとのことですが、2年おきに作品が発表されるというのはスケートカンパニーとしてはかなり早いスパンではないでしょうか。
実は去年のクリスマスにこの『Magic Sticky Hand 2』でパートを持っているクレイグ“Questions”スコットとローガン・デヴリンと会って一緒にスケートに行く機会がありました。イギリスのBlast Skatesというクルーの4人で日本に滑りに来ていたのですが、中野に住む僕の友人がイギリスに住んでいた頃に彼らとよくスケート&チルしていたようで「中野に数日間潜伏しているから滑りに行こう」とのお誘いを頂き迷うことなく合流したのです。
僕はと言うと『Video Nasty』で初めてクレイグのスケートを観て「こんなイカれたスケーターがいるのか…」と影響されたもので、個人的に要注意人物でした。最近発表されたSnake's Pornoとのコラボも記憶に新しいあの人です。彼の映像を観たことがある人はご存知かと思いますが、彼はつねにテンションが高く、始終何かしら叫んでいます。話で聞いていた通り、実際も映像の中と何ら変わらぬ奇行種(とは言え気さくで優しい感じ)で、それが見事にスケートにも反映されているようでした。ちなみに“I'm sorry Kirsty Lee”と『Magic Sticky Hand 2』のクレジットで出てくるのは、友人曰く未だに引きずっている元カノへのメッセージだとか(笑)。
一方のローガンはベジタリアン。ベジーの文化が浸透していないここ日本での食生活は大変だったようで、少し体調を崩す日もあったようですがスケートに対しての貪欲さは人一倍肉食といった感じ。誰もがスルーしそうなスポットで、カメラが回っていようがなかろうがガンガン攻め、彼のオリジナルを次々残していくのです。今回のビデオパートでも、そのスキルとオリジナリティを存分に発揮しているように思います。
アクの強いブランドイメージと、それに違わぬ強烈なスケーターが多く在籍することから、かつて中高生の頃の自分からはかっこよくも得体の知れないブランドに思えたHeroin Skateboardsでありますが、彼らが世に放つ作品を観るにあたり、またわずか1日ではありましたが幸運にもそのライダーと時間を共にすることができ、超グッドヴァイブスを放つブランドというイメージへと変わったことが、その年サンタさんから貰ったプレゼントでした。メリクリ。
--Kazuaki Tamaki