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大学4年間の価値
──ガリ勉スケーター

2020.01.24

 受験シーズンまっただ中。来年より試験の形式が変わるのでセンター試験も今年が最後。僕が最後にセンター試験を受けたのも早12年前のこと。「センター試験か、どんな感じだったっけ?」。大の苦手だった数学の問題を試しに見てみると、1問も解けないどころか何を問うているのかすら解読できないありさま。自分もこんな問題にかつて取り組んでいたのを不思議に思うほど。
 高校3年の冬に迎えた大学受験、結果は惨敗。すべて不合格となったときは人生の中で最もブルーな気分を味わいました。そして春先から心機一転、浪人生活がスタートするわけです。勉強漬けの暗い日々かと思いきや通っていた予備校が「勉強ばかりやっててもよくねーぞ」ってな方針で、ザ・浪人生のイメージとはかけ離れた明るい毎日を過ごすことができました。週に1度は片道1時間プッシュで通学、日曜日には夕方の3時間だけ滑るってな具合で、スケートスキルもわずかながらアップできてたんじゃないかと。その調子なので本番でまさかの大チョンボをメイクし、さらにもう1浪してしまったのさ(涙)。
 そんな浪人生活の何がツラいって、毎日のように滑れず、滑る時も後ろめたい気持ちがつきまとうこと。そして同年代のヤツらがその間にも撮影や遠征で仲間を増やし、力をつけては活躍していく中で、僕は指をくわえて見ていることしかできなかったこと。「浪人なんてしてなきゃ、もっと上手くなれたのにな...」なんて何度思ったことか。
 そして過ごした大学の4年間。出席だけは割とちゃんとしつつも、真面目に学問と向き合ったかといえばそうでもなく、なんとなくやり過ごす日々。校内にボックスやジャンランがあり、一緒に滑る仲間には恵まれつつも、同じクラスの同級生に違和感を覚え始めたのもこの頃。いきがっていた連中も次第に就職の話ばかりとなり、そんな彼らとはフェードアウトするように卒業。結局、学問など突き詰めることなく僕の学生生活は終了しました。それでも大学に行けて良かったと思うのは、4年間という時間でさまざまなことを考えることができたこと。Color Communicationsのフィルマー水澤陽二のIDで同感のあまり笑ってしまったのですが「自分と社会のズレ」を大学で学び、卒業後の人生にいくらか応用できたということなのかと。
 よく言われるように学生の特権は考える時間が与えられていること、これに尽きるのでしょう。受験戦争中のあなたも、これからの進路に迷っているあなたも、親や周りの応援があるのであればその先数年の学生生活、浪人も含めてトライするべき。多少忙しくなろうともスケートボードのある生活はできるはず。スケートボードじゃなくてもいい、音楽だろうがアートだろうが、自分の没頭したところから生き方のヒントみたいのが得られるはず。そんなことを考えながら僕は大学の4年間を過ごしました。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)





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