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ないものは自分で作る
──ローカルスポット栄枯盛衰

2021.04.09

 僕がスケートボードに乗り始めた2000年頃といえばパブリックパークはまだまだ珍しいものであり、横須賀のうみかぜ公園や三鷹のパークが関東近郊の先駆け的存在として注目されていたと記憶しています。あちこちに米軍基地があるためか、僕の地元である沖縄はアメリカンなカルチャーが暮らしにも自然と溶け込んでいるのですが、立派なパブリックパークといえば海外のビデオのみで見ることができる夢の存在といったところ。そんな当時、スケーターが集まりセッションが繰り広げられる場所といえばお手製のセクションが置かれた公園の一角や駐車場などでした。
 スケート侍が技を研鑽する小さな集まりはやがて藩となり、「我らが藩の勢力をいざ知らしめん!」と近隣や少し離れた藩へ襲撃によく行ってみたものです(返り討ちも多々あり)。出かけた先のスポットも今や過去の戦跡と化したところも多く、また僕らが毎日血と汗を流していたカーブには往時の面影もなく、残っているのは誰かが描いた壁の落書きくらいなのであります。といったところで当時から現在に至るまで継続的にスケーターがいるスポットはごくわずか。なので昔からスケーターが集い、そのエリアを代表する存在として全国的に名の知られるほどのスポットって、やっぱりすごいものだと思うのです。スケートボードの流行り廃り、また近隣住民などとのトラブルや苦情といったマイナス要素も通ってきた上でそこが存続しているわけですから。
 以前にも増して迷惑行為としてスケートボードが取り沙汰されるようになったこの頃。長い歴史を育んできた有名なローカルスポットでもひとつまたひとつとスケートボードができなくなってしまう対策がなされているのはご存知の通り。当然のこととして各々の場所に存在するルールやマナーといったものを理解し、ローカルの集まるスポットが長く存続できるに越したことはありません。「どこでもできる」はずのスケートボード。ではなぜそのようなローカルスポットが貴重なのか改めて考えてみました。

・滑るのに適した路面
 ちょっと遊ぶ程度ならともかく、路面がある程度良くないと頻繁にそこに通いたいとは思えませんよね。

・スケートが迷惑となりにくい環境
 歩行者が多かったり、住宅の密集するエリアでは「スケートボード=迷惑」となりやすく、ローカルとして集まって滑るのに適しているとは言えません。

・スケートに対して寛容な環境
 そもそもパークでもない限り、スポットなんて街の一部をスケーターがジャックして滑っているようなもの。周囲が理解を示してくれたり、やがてスケート可能なゾーンとして認められるのはごく稀です。

・そこに集うスケートコミュニティ
 いくらスケートに適した場所であろうとコミュニティがなければ続きません。逆に世代を越えてしっかりとしたコミュニティが築かれたところでは小さなローカルスポットでも存続しています。

 いかがでしょうか。例を挙げるとまだまだ続きそうですが、先に挙げた条件を満たしている場所は簡単に見つけられるものではありません。それでもそんなスポットを自分たちで探して開拓し、集い、発展させていかなければなりません。そういったことからもスポットを潰すような行為を慎み、「グレーかもしれないけど排除するほどでもない」っていうような立ち位置で我々スケーターが生き延びていけたらと思うのであります。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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