バンク to バンクやアールといったセクションで飛び、4つのウィールで着地する前にあえてテールから叩きつけるようにするあの動き。「テールバッシュ」と呼ばれるヤツですね。ひとつのトリックというよりは小ネタみたいなもの。わざわざハウツーブックで先生が教えてくれるようなものでもなければ、YouTubeの動画でもそれをハウツーとして扱っているのって多くはありません。つまりは座学で覚えるものではなく、現場で見て盗んで覚えるようなヤツ。まぁスケボーなんてのはだいたいそういうもんなんだけれども。
アレを初めて認識したのはいつの日だっただろうか。バンク to バンクをオーリーでサラッと越えつつ、よく見たらあえてテールを叩きつけた上で着地しているではないか。「バンク to バンクは to 部分をウィールがすべて越えて着地したらそれでヨシ!」という頭しかなかった10代の自分にとって、それは新鮮でオシャレなものに見え、プチ衝撃を受けたものです。フワっと板が浮き、オーリーの形がばっちりキマった…と思ったらいきなりテールを打ちつける動きをするんだもの。見て学んだからにはいざ実践。シンプルな動きに、簡単そうに見えていたはずなのにこれがなんだか難しく、上手くできやしない。そこでワンモア衝撃を受けるのです。
あれから長い年月が経ち、今となっては小ネタのひとつとして自分にもある程度定着したテールバッシュ。なんと言っても「パチン!」と高い音が出せた時は気持ち良さも倍増す。特にトランジションやバーチカルを上手にこなす人の高いエアーからのそれは、もうものすごい音が鳴り響くもので見ているだけで気持ちがいい。僕はトリックもそうだけど、スケートボードが出す音も大切にしています。どうやって、どんな音を鳴らせるか。楽器なら弾けないけど、代わりにスケートボードを楽器に見立て音を鳴らす方法を日々模索しております。これもまたスケートボードのひとつの見せ方だと思うんすよね。
「エアーしてる最中にいったんスタンスを狭めて、そっからテールを叩きにいく」。そんなアドバイスが横で行われているのをしれっと盗み聞きしてから、それまで僕がイマイチ腑に落ちてなかったテールバッシュのクオリティを高くすることができました。盗み聞きも現場で覚える立派なテクニック(笑)。声の主は某1K高橋さん。彼もまた、最高のテールバッシュマンのひとりだと思います。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

















