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ADIDAS SKATEBOARDING /// TYSHAWN II

プッシュもできないアンタは何様か
──ダサ親に告ぐ

2020.01.31

 先日愛知県で開催されたCHIMERA A-SIDEのように、かつては考えられない規模の大会が日本でも開催されるようになってきました。世界トップレベルのライダーが特設セクションで競うコンテストの賞金総額は4種目でなんと5400万円! これまでのようにスケートボード関連企業からの協賛のみでは到底なし得ないスケールのイベントはスケーターのみならず多くの人が注目したことでしょう。キッズたちが将来デカい夢を思い描けるようなコンテストが身近になってきたのは、それを見守る側としてもうれしく思うばかり。
 「我が子こそ未来のスケート界を担うスター選手に」なんて意気込み荒々しく、パークで怒鳴り、時に手や足の出る親のスケートボード訓練も今や珍しいものでもありません。過酷な特訓に耐えながらもスケートに打ち込むキッズらのレベルや上達ぶりには驚愕してばかりですが、それに伴い親御さんたちの指導範囲も肥大化しているなんて噂もあちらこちらから聞こえてきます。
 今やコンテストでは「ウチの子、アレ乗ったんだけどどうしてあの子よりポイント低いの?」なんてクレームが当たり前のようにジャッジに飛んでくるのだそう。また「あのトリックはポイント高いんですか?」という質問もくるとかこないとか。極めつけはコンテストでの子供の結果を発端とし、親同士が暴力沙汰の喧嘩にまで発展したという情報まで流れてくるのだから、まぁダサい話っす。
 僕らがガキの頃には考えたことすらなかったこんな話。そこにあるのはスケートボードを使って得点稼ぎに奔走する、スケートボードの本質からかけ離れた実態でしかありません。矛盾するようですが、ローカル規模から世界レベルに至るまで、僕はコンテストに賛成です。それがお互いに刺激を与え合う機会であり、楽しくセッションできる場所である限り。オリンピックのスケートボードだって、その延長線上にあってほしいものです。
 さてそんなコンテストという場に、まるでプッシュもおぼつかないような親御さんがやってきてジャッジに難癖を付け、他の親といがみ合う。楽しんでやるはずのスケートなのに誰もイイ気分はしない。そして一番の被害者はその子供たち。「誰がイケてるスケートをしていたか」。少なからずスケートボードの経験や見識のあるジャッジの下した評価に大きな間違いはないはずです。それに異議を唱えたがる親御さんは、まずはジャッジにスケートゲームでも挑んでみてください。それに勝ってからじゃないですか、意見できるのは。
 少々愚痴っぽくなってしまいましたね。スケートボードがスケーター以外からも注目されてきているのが肌で感じられる昨今。せっかく注目されるのであれば最高にイケてるシーンを伴った乗り物であると認知されてほしいものです。得点稼ぎに奔走するだけのスケートボードなんて超絶ダサいっしょ? 親の出したコマンド通りの動きしかしないキッズって見てるほうも、おそらくやってる本人も楽しくないっしょ? 「スケボーはそんなもんじゃねぇぞ」とか言うともはやスケート老害になるご時世だろうか。しかしその認識を広げていくのが、根っからのスケーターと呼べる人種の役目だと信じたい。まだまだ先が長そうだ。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)




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