
スポットとして名前とか付いてるのかも不明だけど、世界の車窓、じゃなくて路上には実に多くのストーリーが刻み込まれた画になるスポットが沢山あり、もちろんここ東京も例外ではありません。そして毎回バカのひとつ覚えで恐縮ですが、スケートの聖地サンフランシスコには、そんなグっとくる無名のスポットが数多く存在し、今この瞬間もそこに新たな歴史を刻み込まんとするスケーターたちの挑戦を、街の喧騒の中で静かに待ち構えているのであります。
そんな中でも個人的にお気に入りなのが、今回紹介するSFのふたつのレッジスポットです。まずひとつめはSFダウンタウンの大動脈であるマーケットストリートという大通り沿いにあるビルの入り口のハバレッジです。僕の記憶が正しければそれはダウンタウンの郵便局のすぐ隣くらいの建物で、同市内のスケート世界遺産であるHUBBA HIDEOUTやCLIPPER LEDGEに比べればはるかに地味な存在ですが、今も昔もそのシンプルさが魅力の良い映像や写真で僕を楽しませてくれるスポットです。
そしてふたつめは、賑やかなチャイナタウンへと続く比較的緩やかな下り坂にあるフェンス沿いのレッジで、REALの名作『NON FICTION』でのドレイク・ジョーンズのノーズスライドポップアウトの現場で知られるスポット。片側物件のためフィーブルやリップ系のトリックはチョイスできないのですが、50-50でも十分過ぎるほど画になるというか、坂の途中ということでメイク後のロールアウェイが、仕留めた映像になんともいい味を加えています。
そして本日、渋谷のFTC TOKYOで試写会を予定しているKP TOKYOの作品『東京糞餓鬼計画』においても、ここ東京の地味だけど何ともいい味出してる都内の無名スポットが彼らの創造力と気合いによって輝きを放っています。
洒落た映像やインドアパークでのフリップイン・フリップアウトはありません。夜な夜なスケートボードひとつで社会と向き合い、表現することで生存を訴える糞餓鬼どものリアルライフは必見です。
─Takayuki Hagiwara (FatBros)
当時撮影で訪れたのであろうSFの有名スポットをこれでもかと攻略しまくり、一気にスターダムへと登りつめたフレッド・ガルは安定のBs 180 ノーズグラインドをチョイス。それにしてもこのお方の過去の作品を観ると、改めてSOTYクラスの猛者であることを思い知らされます。
GX1000クルーとして世界中を飛び回っている目の肥えたお洒落さんは、やはりトリックやスポットのチョイスもよくわかっていらっしゃいます。文句なしのBsノーズグランド180アウトでこのスポットの魅力を再確認。ごちそうさまでした。
https://www.youtube.com/watch?v=_VOQ1GgAfZM
個人的にはこの人のコーチジャケットとディッキーズのコーディネートが最強だと信じて20年の時が過ぎようとしていますが、何年時が経ってもこの方のここでのFs 50-50の魅力が色褪せることはないのであります。
このFs KグラインドのTHINK時代のアドを雑誌で見たときは正直震えましたね、カッコ良すぎて。この方は実際お目にかかるとそこまで身体は大きくないのですが、スケートの安定感がありすぎて映像では大きく見えてしまう人の典型です。