Nike SB dojo | スケートパーク

スリーストライプスを身にまといワールドワイドな活躍が期待される村岡洋樹と池田幸太。東京タワーを眼下に臨むADIDAS JAPAN本社にて行われた文字通りの頂上対談。
──HIROKI MURAOKA × KOTA IKEDA

2017.07.31

Interview & words by VHSMAG, Photos by Yoshimitsu Umekawa

VHSMAG(以下V): まず、 adidas Skateboardingに加入した経緯から教えてください。

池田幸太(以下K): 僕がチームに加入したのは去年の11月くらいです。adidas Skateboardingのチームマネージャーになることが決まっていたローレンス(・キーフ)から連絡が来て誘われたのがきっかけです。ちょうど当時のシューズスポンサーの契約更新時期のタイミングでした。結局ローレンスに口説かれちゃいました。

村岡洋樹(以下H): 僕の場合は前のシューズスポンサーのチーム自体が消滅していたんですけど、adidas Skateboardingの仲卸をしているHascoの(高澤)祐介くんからまず話がありました。その後に僕もローレンスからオファーをもらって。他のシューズブランドからも話はあったんですけど、ローレンスはもともと一緒に滑ったり遊んだりしていて近い存在だったこともあってadidas Skateboardingでがんばりたいと思いました。チームに加入したのは幸太と同じくらいの時期です。

チームに加入する前と今のadidas Skateboardingの印象を教えてください。

K: 入る前と後の印象はまったく変わらずかっこいいままですね。Clichéにいた頃から何人かのチームメイトがadidas Skateboardingに所属していましたし、コラボデッキもリリースしていましたから。でも当時は違うシューズブランドのライダーだったので乗れなかったんですけど(笑)。正直言うと、その頃からadidas Skateboardingに憧れのような感覚はありましたね。ピート・エルドリッジは本国のチームマネージャーのひとりですし、ルーカス・プイグやレム・ヴィレミンはグローバルチームの一員。だからあまり遠い存在という感じはしませんでした。

H: 僕は海外というかグローバルの動きに対しての印象は変わっていないんですけど、adidas Skateboardingの日本国内での活動を考えるとすごく印象が変わったと思います。これまでの国内での活動はそこまで定着していなかったと思うんですけど、チームに加入してからかなり活発になったと感じます。ブランドイメージとしては、加入する前も今もストリートスケーターをサポートしているという印象は変わりません。

ストリートのコアな部分をサポートしているところ (村岡洋樹)

V: adidas Skateboardingの魅力とは何でしょう?

H: 重複しちゃいますけど、コンテストがメインなスポーツ寄りのものではなく、ストリートのコアな部分をサポートしているところです。あとは幅広いチーム構成が最高だと思います。ゴンズみたいなレジェンドもいて、デニス・ブセニッツのようなマシーンもいて。ディエゴ・ナヘラのようなテクニカルな若手もいる。しかもみんなクールで。すごくいいなと思います。

K: 簡単に言うと、ストリートを大切にしている。ヘルメットを被らないという感じですかね。

V: adidas Skateboardingはライダーの意見をプロダクトやプロジェクトに反映させたりする、オーセンティックでリアルなスケートシューズブランドとして知られています。ふたりが感じるadidas Skateboardingが持つリアルな要素とは何でしょう?

H: やはり第一にゴンズがチームにいることですね。昔はクイム・カルドナのようなスケーターも在籍していましたし。クールなライダーをサポートしているところにリアルさを感じます。

K: ライダーがいいのもそうなんですけど、adidas Skateboardingが世界中で開催しているイベントにも今までにない感じの真剣さが感じられて面白いと思います。あと定期的にリリースしている映像作品を観てもリアルさを感じますね。

H: そうだね。コンテストで魅せるというよりかは映像で魅せるという感じ。『Away Days』でもいろんな街で滑っていて面白かったし。今コンスタントにリリースしている作品もロンドンやLAをフィーチャーしている。いろんな場所で滑って、それを映像にしてリリースするというのは面白いですね。

K: 映像作品は面白いですね。スケートだけでなく、編集も曲も絶妙でadidas Skateboardingらしさが感じられるものばかりだと思います。

V: adidas Skateboardingはこれまでにいろんな映像作品をリリースしていますけど、その中でも特に面白かったのは?

H: ロンドンをフィーチャーした“London, Meantime”は面白かったですね。ロンドンローカルとヨーロピアンスケーターの中でデーウォン(・ソン)が出ていたのも良かったですし。中でも特にグスタヴ(・テンネセン)がヤバかったですね。ワンフットのノーズグラインドとか見たことのないクリエイティブなトリックをやっていた。

K: あれはちょうどツアー中で、ホテルで一緒に観たんですよね。

頭をスッキリさせて直感的に動くようにしています (池田幸太)

V: そのようなクリエイティビティもadidas Skateboardingが重視していることのひとつだと思いますが、ふたりがクリエイティブであり続けるために大切にしていることはありますか?

K: 正直、僕はあまり考えたことがないですね(笑)。僕の場合は考えすぎちゃうとクリエイティブにならないので。極力、頭をスッキリさせて直感的に動くようにしているかもしれません。

H: 僕は自分の好きなものを曲げないようにしています。ライフスタイルを変えないとか。あまりいろんなものに引っ張られちゃうと自分の創造性がなくなっちゃうと思うので。だからやりたいことを続けることが大切なのかなと思います。スケートに関しては、やっぱりクリエイティブなトリックが好きだし、スポットを使ったシンプルな動きとか、街を使っている感じとかが好きなので、自然とそういうスケートに傾倒していきます。

自分の好きなものを曲げないようにしています (村岡洋樹)

V: 新たな挑戦をしていくということもadidasというブランドそのものが掲げるスローガンです。ふたりが新しくチャレンジしていること、しようと思っていることは?

H: 今取り掛かっているプロジェクトがあるので、まずはそれを形にすること。今はadidas Skateboardingジャパンチームをフィーチャーしたビデオを撮影しているところです。今年の10月リリースを目標にして動いています。

K: 福岡、大阪、名古屋にフィルマーのパトリック・ウォールナー、ローレンス、洋樹くんの4人で撮影ツアーに行きました。これをスタートに、東京ではフィルマーのヒデくんに撮ってもらっている感じです。それで最終的に映像をパトリックがまとめる予定です。僕にとっては今回のフィルミングがひとつの挑戦になりそうです。

V: adidas Skateboardingのグローバルチームで影響を受けたスケーターはいますか?

K: 僕は実際この目で見て衝撃を受けたのはルーカス・プイグですね。もちろんヤツのスケートのヤバさに影響は受けましたけど、その他いろんな面が衝撃的でした。超破天荒でしたね(笑)。スケートはヨーロッパのガイ・マリアーノと呼ばれている理由がひと目でわかるほどすごいですね。

H: 僕はゴンズがでかいですかね。こないだデニス・ブセニッツを生で見たときもやっぱりすごいなと思いました。サイラス(・バクスターニール)も上手いし。でもadidas Skateboardingで一番でかいのはゴンズですね。昔からずっと見てきたスケーターなんで。自分も絵を描くので、ゴンズがアーティスト活動をしているところにも共感できます。昨年、歌舞伎町で開催した“Away Days Team Tour”のイベントでも、デニスが思い切り滑っているところに突っ込んでガンガン滑っていたこととか。年齢は関係ないかもしれませんけど、あの歳で会場をすごく沸かしていたのは流石だなと思いました。本物のプロだなと実感しました。

V: “Away Days Team Tour”で来日して以来、グローバルチームが度々来日しているという情報を耳にしますがその目的は何ですか?

H: 10月に日本をフィーチャーした映像作品がリリースされるんですよ。ロンドンに始まってLAに続き、その次が東京。その撮影のためにチームが来日していた感じです。

K: グローバルチームからほぼ全員来ていましたね。

H: そうだね。マーク・ジョンソン以外はほとんど来ていました。ライダーが多いので、5回くらいに分けて来日していました。

V: グローバルチームが来日した際に一緒に動きましたか?

K: 僕はちょいちょいでしたね。そんなにガッツリは動けませんでした。僕が同行したのは、最後のほうにルーカス、デーウォン、デニスとかみんな来ていたときです。東京で数スポット行けたくらいですかね。そのときに、マンションの上から無言で氷を投げられたことがあったんですよ。デニスが睨みつけていましたね(笑)。でもデーウォンは事態を把握していないみたいな(笑)。

H: 僕は結構一緒に動けたんですけど、一気に20人くらい来日したときがあったんですよ。20人まとめて動くのは不可能だからマイクロバス2台に分かれて動くことになって、1台はローレンスがアテンドしてもう1台は僕が担当することになっちゃって。僕がひとりでアテンドしたのは3日間でした。みんなスケートに対して真面目でした。果敢にトライするし、つねに何かを狙っている。特にデニスは鬼でしたね。スケーターだけでなく、人間としてもいい人ばかりでした。でも英語を話せないのはバスの中で自分だけ。だからサイラスは奥さんが日本人ということもあってか気を使って話しかけてくれたり。ノラ(・ヴァスコンセヨス)も優しく接してくれました。陽気な感じで面白くて結構仲良くなれましたね。ジャック(・ファーデル)とは特に仲良くなって一緒に滑ったりしました。ローレンス不在で自分ひとりでなんとかしなければならない状況だったので、すごく大変だったけどいい経験になったと思います。

V: 日本とグローバルチームが交流するいい機会になったと。

H: フィルマーとも仲良くなったんですけど、やっぱり仲良くなると自然とカメラを向けてくれるんですよ。仲良くなると撮りやすい。交流する機会がなかったら、デニスだってゴンズだってスーパースターというイメージのままですけど、仲良くなると人として付き合うことができてやりやすくなりますね。

V: ではスケートに精通したローレンス・キーフがチームマネージャーを務めていることの利点を教えてください。

K: ローレンスがチームマネージャーを務めていることがチームに入る一番のきっかけになりましたし、信頼できるというのが一番の利点だと思います。日本のスケートシーンにはチームマネージャーがいないという環境がずっとあったと思うんですけど、そうなるとライダーが考えた企画を自分たちでメディアに持ち込んだりしなければならない。でも、チームマネージャーがいることによって、シューズの手配だけじゃなくてそれらをすべてやってくれるから、僕たちはスケートだけに集中することができる。そのような良い環境を作ってくれていますね。

H: そうだね。それに古くからの付き合いなので一緒にがんばれるというのはうれしいです。進行中の撮影にも同行してくれるし、良いことも悪いことも全部正直に言い合えるんでやりやすいです。彼女よりも一緒に過ごす時間が長いですから(笑)。

K: 撮影についてきてくれるだけはなく、各ライダーの体調をすべて把握してくれるのもすごくいいですね。ありがたいです。

V: スポーツシューズブランドの最大手がスポンサーについたことでの周りの反響はありましたか?

K: 反響はめちゃくちゃいいですね。誰でも知っているブランドだけに、スケートボードを知らない人でも話が早いです。「プロスケーターです」って言ってもピンと来ないけど、「adidasからサポートされています」と言えば理解してもらえる。

H: それはすごくありますね。adidasのイメージがいいので、みんなから「おめでとう」とよく言われます。

V: 正式にadidasと契約したスケーターとしてadidas Skateboardingにどのように貢献したいと思いますか?

K: それはどのスポンサーに対しても変わらないですね。ひたすらスケートをしてブランドのプロモーションに貢献すること。

H: 僕は映像や写真を残して、スケーターの動きを通してadidas Skateboardingのイメージを引き続き良くしたいと思っています。それで国内にadidas Skateboardingのプロダクトを使ってくれる人が増えればと思っています。それが僕たちの仕事だと思うので。

V: ではこれからも続々とリリースされるMatchcourtシリーズについて教えてください。

H: 僕はここずっとMatchcourtを履いているんですけど、中でもMatchcourt RXが一番気に入っていますね。ずっと履いていて調子いいですね。壊れにくいし長く履ける。デザインもシンプルで気に入っていますし、ハイカットのモデルがあるのもうれしいです。

K: 初めはラバートゥが慣れにくいかなとも思ったんですけど、実は履き込む必要なくすぐに足に馴染むんですよ。柔らくて調子がいいです。これまでにリリースされたMatchcourtの中ではRXのナケルのモデルですね。オールピンクでフルスエード。あれが一番好きでしたね。ナケルのスリップもリリース予定なので楽しみです。

V: 10月にadidas Skateboarding主催の大規模なイベントが日本で開催されると聞きました。どのようなイベントが行われるか、話せる範囲で教えてください。

H: Skate Copa Court。世界12都市で開催されているイベントでその最終ストップが東京なんです。ライダーが考案したセクションを使ってセッションをするというイベントです。デモやセッションが予定されています。

K: 昨年の歌舞伎町のイベントのような感じになると思います。みんなと一緒にセッションできればいいですね。

V: では最後に、adidas Skateboardingで実現したいプロジェクトを教えてください。

K: 今はジャパンチームのビデオプロジェクトで頭がいっぱいですけど、定期的にこのようなプロジェクトがあればライダー的には充実するのかなと思います。あとはグローバルがやっているように、国内でもスケートだけでなくアーティストなんかともコラボできればいいですね。

H: 自分は絵を描いているので、それをアドとかプロダクトとかに落とし込むことができればうれしいです。ゴンズは自身のアートをプロダクトに反映させているし、ブロンディ・マッコイはTeeを作ったりしている。ルーカスは自身のHélasとコラボをしているし。そんな感じで自分もなんらかの形でコラボができればと思っています。あとはグローバルチームに入ることはひとつの夢というか目標でもありますね。

 

村岡洋樹
@hirokimuraoka

ストリートスポットを最大限に活用するクリエイティブなスケートスタイルでリスペクトを集め、独特のトリックセレクションでグローバルな注目を集める。ペインターとしても活動し、スケートだけでなく幅広くアーティスティックに活動している。

池田幸太
@kohtaikeda

強靭なポップとソリッドなトリック捌き、そして精密なボードコントロールで日本国内のスケートシーンをリードする大器。かつてのボードスポンサーを通してadidas Skateboardingグローバルチームとの繋がりも強く、今後の活躍が期待される。

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