アメリカ東海岸のフィラデルフィアの中心部に位置し、'90年代後半にスケートメッカのひとつとして世界的注目を集めたジョン・F・ケネディ・プラザ、通称LOVEパーク。ヴィンセント・クリングという建築士によってデザインされ、エドムンド・ベーコンという都市設計家によって建設されたこのアーバンプラザは、'80年代から敷地内に点在するグラナイト製の縁石に魅了されたスケーターたちにその名の通り愛され続けてきました。いつしかホームレスやドラッグ中毒者のたまり場となっていき、お世辞にも治安がいいとは言えない環境だったようですが、ストリートスケーターにとってはまさに楽園そのもの。これまでにリッキー・オヨラやマット・リーズンにはじまり、ジョシュ・ケイリスやスティービー・ウィリアムスなど、幅広い世代のストリートスケーターたちが警察の目をくぐり抜けながら歴史的写真やフッテージを残してきました。
そんなLOVEが閉鎖されたのが昨年2016年2月のこと。1,600万ドル(約18億円)を投じた都市開発プロジェクトによる完全リノベーションの餌食となり、工事が終わって再び開放されてもこれまでのようなスケートフレンドリーな空間にはならないようです。
このようにして終焉を迎えた歴史的スケートメッカをテーマにした、ジョナサン・レンチュラーの写真集『LOVE』が400冊限定で出版されるとの情報が編集部に届きました。117枚の写真で構成される176ページにも及ぶ豪華なハードカバー。LOVEを拠点とした最後の世代のここ3年間の姿、LOVEが閉鎖されてもなおセッションを続けるローカルたち、そして無残にも取り壊されていくLOVEの様子を記録した内容となっております。こちらの『LOVE』はPARADIGM PUBLISHINGより購入可能。ということで、LOVEを偲んで同写真集のプロモビデオとともに、LOVEのフッテージを収録したパートの数々をどうぞ。
--MK