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長崎県大村市のホットスポット
──スケートパーク建設プロジェクト始動!

2022.05.30

 今年11月に長崎県大村市のボートレース大村にスケートパークがオープン予定。スケートパーク建設のひとつの成功例として、これからそのプロセスを段階的にご紹介していきます。ということで、「大村スケートパーク」シリーズ企画の第1弾に登場するのは大村市モーターボート競走事業管理者、そして大村市ボートレース企業局長を務める馬場宏幸さん。スケートボードに理解を示す大村市について話を伺いました。

—MK

 

 

VHSMAG(以下V): まず長崎県の大村市についてお聞かせください。どのような場所ですか?

馬場宏幸(以下B): 今年は大村市の市制施行80周年、そしてボートレース大村開設70周年という記念すべき年になります。大村市は東側に多良岳県立公園があって、西側に大村湾を望む風光明媚な土地柄にあります。自然も豊かな土地でありますし、また長崎県の県央に位置していまして、県内どこに行くにしても割と行きやすい場所。あと長崎空港が大村市にあり、高速のインターチェンジも大村市内に2ヵ所あるんです。県内の交通の要衝にありますのでどこに行くにも便利な土地です。そして東京や大阪にも行きやすい。市街地から大体空港まで10分ほどの土地なので、ビジネス的にもやりやすい市じゃないかと思っています。さらに1970年から52年間、人口が増え続けている市なんです。県内で人口が伸びている市は大村市だけですね。だからこそ住みやすい街であると思います。

V: 大村市ならではの特産品はありますか?

B: 特産品で言うと、大村湾がありますのでナマコとかイイダコとか。農産物ではイチゴや梨といったフルーツも美味しいです。あと大村寿司という角ずしのちらしや「茹でピー」というピーナッツを茹でたやつですね。そういったものが名物です。ただ大村市に限らず県内はお魚も新鮮で美味しいです。

V: ボートレース大村についてお聞きしたいのですが、この場所がボートレース発祥の地なんですね。

B: そうなんです。1952年4月6日に全国で初めてモーターボートレースを開催したボートレース発祥の地ですね。大村市には3つの初めてのことがあります。ひとつは大村純忠という日本初のキリシタン大名がいたこと。そして、日本で初めてボートレースを開催したこと。もうひとつは、長崎空港が昭和50年に世界初の本格的な海上空港として開設されたこと。

V: 馬場さんはボートレースの局長のなかで一番お若いとお聞きしました。若い世代の柔軟な考え方が、ボートレース大村にスケートパークの建設が決定したきっかけではないかと思ったのですが…。

B: いや、新たな集客を図ることを目的に、2016年11月にエクストリーム広場というスペースを場内に作ってランプを置いたりしていたんです。これも公営競技場としては初で、園田大村市長の肝いりで「エクストリーム広場を作りたい」と話がありました。市長は私より若く、40代半ばです。それですぐに駐車場を1000平米ほど改修してランプを設置したり、ダンス用のミラーをつけたり、3x3のゴールをつけたりとかしたんですよね。
 それで今回のスケートパーク建設のきっかけは、大村市民の要望的なところも結構あったんです。というのが、市議会でも一般質問で複数に要望があったんです。そういうことを一般質問で出す市はあまりないと思うんですよね(笑)。当然エクストリーム広場を作ってから、バイクポロ、BMX、ランバイク、スケートボードなどのイベントも月に2、3回やっていました。うちには300〜500人ほど収容できるイベントボールがあって、お客さんの集客もかなりありました。そこでショーケースイベントもやっていました。

V: では今回のスケートパーク建設の前からスケートボードに対する理解や土台があったんですね。

B: そうですね。その後にBOATRACE振興会(ボートレース業界の中央団体)が場内をパーク化する、いろんな世代の方が集えるような場所にするというプロジェクトを始めることになりました。そして2018年11月ですかね、ご存知でしょうけど鳴門のUZUPAができたんですよね。やっぱり凄いなと思いながら、今回ボートレース開設70周年を機に、施設整備を充実したいと思いました。振興会の事業もありましたのでそれを活用してパーク建設をやることになったということです。

V: スケートパーク建設のプロセスはなかなか大変だというイメージがあったのですが、話を聞くとスムースに話が進んだ印象を受けます。

B: まあ、我々としてはウェルカムな話でした。ただですね、やっぱり練習するところがないので公園やアーケードの一角とかで夜に練習したりしますよね。それで騒音だとか危ないとか、そういう苦情も並行してあるっていうのは事実です。

V: エクストリーム広場を作ったことで大変なことはありましたか?

B: 特に大変ということではないですけど、ここのエクストリーム広場は基本的にボートレース場が営業しているときしか滑れないんです。事務所の職員がいるときはいいんですけど。あと駐車場が広いんですけど、滑りたい方のニーズがあったので夜の9時まで開放しています。ただプラスチックの矢印の備品を使って壊してしまって放置していたりとか…。マナーは守ってほしいという思いがあります。壊したことも正直に言ってくれればいい話なので。それくらいですかね。

V: 滑る場所を提供するなどスケートボードへのご理解がありますよね。スケーターに対して不良とか迷惑とか悪い印象を持たれたことはありませんでしたか?

B: それはまったくないです。ここではルールを守っている人が多いと思いますし。先ほどの器物破損じゃないですけど、そういうことがあったときにはコミュニティ内で話してあとで謝りに来られたりとかしますから。だからイメージ的に悪いということはありません。

V: ではスケートボードがオリンピックの正式種目に採用されたことについてはどう思われますか?

B: 東京オリンピックで堀米雄斗さん、四十住さくらさん、西矢 椛さんとか若い世代が活躍して、やっぱり多くの人に勇気とか希望とか感動を与えたと思うんです。そういう意味ではパークを作ることに関する盛り上がりが醸成されてきつつあるんじゃないかなと思います。

V: 今回のスケートパーク建設のプロセスはどんな感じで進みましたか?

B: まず県内周辺のスケートパークを見たらどうかっていう話になりました。隣の諫早市に新しくできたスケートパークがあったんです。そういったところや県内の施設を見させていただきました。実際に自分は滑ったことないし、パークを作る職員も滑ったことがないんです。それで当初は視察したパークのようなものを作ろうとしたんですけど、私も実際滑ったことがないので必ず地元の滑る人の話を聞くことにしました。そうしないと作って終わりとか、作っても滑らないとか。そうなったら絵に描いた餅みたいな話で全然意味がないと思うんです。それでB2ENGINE(総合企画)やMBM(施工設計)が入った上で話をすると、やっぱり我々の考え方は違うなと思いました。ランプにしてもこういうふうな考え方で作らないといけないとか。東京オリンピックのコースを作ったMBMのみなさんは実際に自分たちが滑られるので、やっぱり考え方が違うんだなと思いました。それが新たな発見でした。実際に滑る人が滑ってどう思うか。滑れない人が作っても意味がないなっていうのは思います。

V: このようなスケートパーク建設のストーリーはスケートコミュニティからしたら理想の形だと思います。このような場所を他の場所でも実現させるためにスケーターがやるべきことは何だと思いますか?

B: やっぱり行政側にもどんどん声を上げていかれた方がいいと思います。あとは先ほども言いましたけどマナーは必ず守ること。今はやっぱりオリンピックでの活躍もありますし、それを多くの人が目の当たりにされていますので、日本からメダリストが出るということはすごいことだと思いますから。

V: もしかしたらスケートパーク建設をきっかけに大村市からもメダリストが輩出されるかもしれないですよね。

B: そこはぜひ輩出したいという思いを議会の一般質問でもお答えしました(笑)。

V: ではスケートパークのオープンに際して懸念などはありますか?

B: まずは怪我ですね。もしかしたら怪我が当たり前という認識で滑られているかもしれませんけど、やっぱり大怪我がないようにマナーを守って滑られるようにしてほしいと思っています。そのためには県内でスケートボードをされている方やショップの方に協力していただき、ワークショップなどを通して初心者の方にもどんどん来てほしいという気持ちがあります。

V: 今回のスケートパークを通して、周辺地域にどのような影響がもたらされればいいと思いますか?

B: 今回作るスケートパークは県内で最大級ですし、MBMという一流のプロが作る施設です。スケートボードは比較的新しい競技だと思うんです。この場所をきっかけに大村市民や長崎県民がスケートボードを始めたり、未来のメダリストを目指したりしてほしいと思います。スケートパークが完成したら是非みなさんに来場していただきたいと思います。

 


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