ショップでコンプリートを買うとオマケでついてきたりもする簡易的なものから、バックパックを変形させることでデッキがすっぽり収納されるものまで、「スケートバッグ」と呼ばれる類にもさまざまな形のものが流通しています。突然雨が降ってきた場合にも、それがあるだけでデッキが濡れることを避けられます。これに何度助けられてきたことか。逆に油断しそれらを持たずに出かけ、突然の雨にやられては何度ドンマイな気分を味わってきたことか。マイカーをゲットしてからはそんなスケートバッグを頼りにする頻度は減ってしまいましたが、電車やプッシュ移動で滑りに出かけるときは万が一の必需品としてなるべく持ち歩くようにしています。「それはスケーターの身だしなみ」と言う猛者もいるとかいないとか。
それとはまた違う場面においても、スケートバッグが活躍することもあります。たとえば職場なんかじゃ自身がスケーターであることを周りに黙っている人が一定数います。私生活をあまり知られないようにしているとか、スケートしていることを職場の人間に隠しておかねばならなぬ事情があるとか、そんなことがあるのが大人の世界。そんな勤め人が仕事終わりに滑るとき、こっそり板を持っていく際の味方をしてくれるのもスケートバッグの役目(そもそも大きな荷物にはなるので、「これ何?」なんて聞かれた場合にどのようにはぐらかしているのか知りかねますが…)。自分すか? あまり器用な人間ではないので自分が普段スケートしていることをこれまで学校や職場で隠そうとしたことはありません。ですので、そこまでして滑りに行くっていう執念は立派なスケート狂として、ある種リスペクトを抱く部分でもあります。
逆に僕が理解に苦しむのは、「デッキを持っているのが恥ずかしいから」と隠すためにスケートバッグを使うこと。なぜデッキを隠そうとする? なぜスケーターであることを隠して街を歩く? プッシュしたいときすぐにできないさ〜…とまぁこれも大人の事情もあるかもなのであまり非難することはやめておきますが、自分が言いたいのは、スケートボードって少なくとも持っていて恥ずかしいものなんかじゃないはずだってこと。年齢関係なしにね。自分のデッキに刻まれたキズを、お気に入りのステッカーや落書き、グリップジョブを、曝け出して主張してるんが堂々としてカッケェと思うんすよね〜。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)









