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スケーター的視点
──見立て屋

2024.02.16

 仕事で大阪に滞在していました。日々の業務をこなしつつ、普段なかなか滑りに行くことのない場所に繰り出し、久しぶりの人に会ったりと非日常な生活を楽しんでいたところです。そんな中、先の連休時に「祖母が亡くなった」と連絡を受け帰省しました。昨年末の母方祖母の他界に続き、今度は父方の祖母が。バタバタとしつつも旅立ちをお見送りしてきました。ちなみに父方、母方のオバァたち、ふたり合わせた年齢がちょうど200歳。両家系とも自分ら孫の代はみんな成人し、ひ孫だって少なくありません。実に長生き、自慢の立派なオバァたちでした。
 連休明けの火曜日、地元沖縄からの帰りの飛行機、降りた空港は大阪ではなく神戸空港。少し時間を持て余していたので空港内を散策してみたのですが、これが個人的に大当たり。決して大きくはない空港で飲食店やお土産店もそう多くはないのですが、展望デッキに併設されているギャラリーの展示がいい感じ。見立て、つまりは日常にある物で別の物を表現した作品の数々がそこには並んでおりました。全く存じ上げていなかったのですが、田中達也さんという見立て作家・写真家の展示。文具や食品サンプルなどを巧みに使い、時にクスッとさせてくれるようなヒネリを効かせた作品がズラリ。ちょっと暇つぶしのつもりで見にきたつもりが、アクリルのショーケース内に設置された作品を四方八方から覗き込む自分がおりました。もうそれだけでお腹いっぱいというか。なお期間限定での展示ではなく常設とのことなので、神戸空港にお立ち寄りの方は是非、Yo! Chui。
 お休みの日は美術館めぐり…というタイプでもなければ、アートへの感度もそう持ち合わせてない自分。なので作品を見ても「なんだかよくわからない…」ってなことも少なからずあるわけですが、この度見た作品群はわかりやすく、ビビッとくるものがありました。見立て…そうだ、我々スケーターがやっていることもまさにそれ。時に階段や手すりを、その辺のベンチやタイヤ止めを、本来あるべき使われ方とはまるで違った視点で眺め、使ってみては大喜び。そもそもスケートボード黎明期のアメリカの少年たちも、ディッチやプールの反り立つ斜面を波に見立て、サーフィンの延長線上でスケートし始めたのが今に至るんだっけ。そう考えると見立て作家というのは、きっとスケーターと近い視点で、何か違った角度から日々物を眺め、試行錯誤してはニヤニヤしているに違いありません。先の田中達也さん、インスタ(@tanaka_tatsuya)では400万人近いフォロワーの目を楽しませているようです。スケーターもある種の見立て作家として多くの人の目を惹きつけられる、そんな寛容な社会だといいんだけど、ねぇ〜。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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