STORE
VHSMAG · VHSMIX vol.31 by YUNGJINNN

POPULAR

おらが町と隣町

2024.05.03

YUTA KONISHI / 小西勇太

2024.05.08

X GAMES SHOWDOWN

2024.05.06

NEW BALANCE NUMERIC - 272

2024.05.03

MIYASHITA SKATEPARK: LAZY SKATEBOARDING

2024.05.01

OCTOPUS-ARMY シブヤで会いたい

2024.05.02

YOSHIRO HOSHINA

2020.10.21

ATLANTA

2024.05.07
  • G-SHOCK

SKATE SHOP VIDEO AWARDS 2023
SKATE SHOP VIDEO AWARDS 2022
Maite Adimatic Mid - adidas skateboarding

ボクらの音楽
──スケーターズミュージック

2023.11.17

 スケーターズミュージック。自分で書いてみるものの、なんとも胡散臭く感じてしまうのはなぜだろう(笑)。「スケーターが好む音楽はこれだ!」みたいなのがカテゴライズされ、ありがちな情報が氾濫しているからか。それとも少しばかり知っているだけで、実は大して深いことなど知らぬくせにカルチャー人っぽいこと書こうとしている自分が後ろめたい気持ちになっているからか…。んなこたぁ知りませんが、今日もちょっとだけお付き合いくださいませ。
 さてそんな「スケーターズミュージック」と聞いてパッと思いつくのってどんなのがありますか? パンクにハードコア、メタル。ラップ、ヒップホップ、レゲエ、テクノ、ロック…その辺りが定番として挙げられるでしょうか。それらはさらに細分化され、人の数だけその選り好みも違うってもの。ひとつ言えるとすれば、そのどれもがどことなく尖っている部分があるわけで、なんだかかっこいい。スケーターたるもの、やっぱりどこかで尖っていたい。そんなスタンスが、音楽の嗜好にも反映されているようにも思います。
 YouTubeやSNSが世間に普及していない、それは一昔前の話。世に出るスケートの映像も当然ながらそう多くはなく、たまにリリースされるビデオやDVDをショップでゲットしては仲間うちで回して見るのが一般的でした。スケートビデオってそんな数少ないものだったので、登場するスケーターのスキルやセンスのみならず、その中で使われている楽曲も当時のスケーターに大きな影響を与えていたのは言うまでもありません。やはりどこか尖った音楽が使用されることが多く、「僕らの音楽の教科書はスケートビデオだった」と言っても過言ではないくらい。なのでちょっと曲を聴いただけで「どこそこのあのビデオの誰々のパートで使われてた名曲」なんてのが共通の話題として成立していたのです。例えばですよ、イントロの一瞬だけの音で、「これEmericaの『This Is Skateboarding』のレイノルズのパートのジミ・ヘンドリックスの曲!!」って僕はたぶんクイズで言い当てられるんです。それほど再生したからっていう極端な例ではあるんですが(笑)。でもきっと、スケーターが知っているこんな曲や音楽のあれこれが、「スケーターズミュージック」と呼ばれることに異論はないはずです。
 毎日スケートビデオがアップされ、氾濫し、もはや追いつけない現在では、同じビデオを何度も何度も観ることもすっかり少なくなってしまいました。スケーターの在り方も多種多様になり、その分何でもアリの幅も増え、同時に「あのビデオのあの曲」といったスケーターにとっての名曲という共通認識が薄れていっているのを感じるのが寂しいところ。よく言えばお決まりの固定概念みたいのが薄れていったわけです。そんな現在まさに新時代、何をもってスケーターズミュージックと呼ぶのだろうか。そう考えてみたところ出た答えが、「スケートボードを通して出会った音楽」…これになるのかなと。スケート仲間から教えてもらったもの、映像に使われていたBGM、あの日のイベントでDJがプレイしていたもの、etc…。スケーター100人いれば100通りの答えとなってしまうわけですが、スケートがきっかけで知り、気分をちょっと高めてくれる…そのようなものをスケーターズミュージックと再定義してみたいと思った次第です。
 僕が最近ハマってしまったのをひとつ。若いスケーターに教えてもらったのがRoland Cristalという4つ打ちのミュージシャン。フランスの田舎で教師をやりながら音作りも勤しんでいるそう。海外のごく一部のシーンで注目され始めているくらいで、ミュージシャンとしてはまだまだ無名なのかと思われるのですが、どこか気の抜けたような電子音と、ちょこちょこ入るボーカルが頭から抜けません。これまで4つ打ちにほとんど興味のなかった自分がなにかと再生しているんだから驚き。イカれたPVの数々も観ていて飽きません。まさにこんなのを、自分にとっての「スケーターズミュージック」として大切にしたいっす。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 


  • JOYNT
  • Jacuzzi Skateboarding Equipment Unlimited