アジアのスケートシーンがいよいよハンパない。SNSやネットで流れてくる情報を側から見ているくらいの自分ですらそう思わされるので、世界のストリートやコンテストで彼らとセッションを楽しむ最前線の若手スケーターなんかはよりその衝撃を目にしているに違いありません。
スケートボードの祖国であるアメリカに近い国や地域は言うまでもなく、それに続かんとオーストラリアや独自の色合いを放ってきたヨーロッパ、そしてここしばらく続く日本人の活躍。これに続く台風の目はアジア諸国のスケートシーンになっていくのでしょう。パークの整備は進み、各国をレペゼンするようなブランドも台頭するようになりました。その最前線で活躍するスケーターの動きも、世界各地のトップスケーターと並んでも遜色ありません。
次から次へとエッグいスケーターが出てくる現在。もはやその多くをチェックすることは不可能なくらいですが、初めて遭遇したどこのどいつとも知らないヤツが実はとんでもない滑りの持ち主で心をへし折られるような気持ち、上を向いてやってるスケーターならきっとおわかりのはず。近い将来を考えると、アフリカなんかでも高い身体能力を武器にした恐るべきスケーターが次々爆誕、そして世界のスケートシーンは足並みを揃え次のステージへと向かっていくんじゃないかなと。その頃にはオレらはすっかり爺さん婆さんになってるかもしれないけどね。そんなことを思いながら、自分のスケートに向き合う日々であります。
経済状況や生活水準が上がり、SNSといったツールの普及がアジアのスケートシーンを次々アップデート、スケーターも増殖しているのは想像に難くありません。そこでちょっと寂しく思うことがひとつ。一昔前といえば、諸外国のスケーターがアジア各国にスケートトリップへと出向き、特にハンマーなスポットでの撮影をしていると、背景にはギャラリーができ物珍しそうに見物しているというシーンがよく映し出されていました。海外のブランドや企画が敢行する日本ツアーでのクリップにセキュリティや警察が必ずといっていいほど出てくるような感じで、それがアジアの国々だと見物客の人だかりというわけです。まるで黒船でやって来た外国人が謎の乗り物を使い、街のそこらで大道芸をおっ始め、メイクすると大歓声が沸き起こる。そして見物客のみならず、セキュリティまで割とスケーターに対して友好的。一種の固定概念的な部分もあるかもしれませんが、そんなシーンも最近はあまり見かけなくなったように思います。スケートボードが普及し、認知され、もはや物珍しいものではなくなった結果だと考えられますが、それはそれで喜ばしく、同時にちょっと寂しい。
日本でもスケートボードの認知がより広がっています。スケーターが実は割と無害なヤツらだと認知され、面白がって見物客が集まる将来になるといいんだけど、さぁどうだかねぇ…。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)










