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トラウマレベル
──滑りがキッズ

2022.07.08

 ここしばらくのところ何かと良からぬ話題の絶えない、新宿の「トー横」。歌舞伎町にあるTOHOシネマズ横の広場一帯を指すその場所に集まる若者は「トー横キッズ」と呼ばれており、みなさんも彼らのことを耳にしたことがあるのではないでしょうか。トー横キッズ、僕は特に彼らと接点があるわけでもないのですが、なんだかその呼び方に違和感を感じておりました。
 ふと、どうしてそうも違和感を感じるのかと考えてみたのですが、「キッズ」と呼ばれるのもひとつの原因かと思いました。スケートボードが頭の中心にある生活を送っているおかげで、「キッズ」という言葉に単に「子供」という意味のみならず「ちょっとダサい」というニュアンスをも含んで考えがち。キッズ…10代前半くらい、年齢的には一般的なキッズであってもいい動き、立ち回りをしているとキッズよりむしろ「ホープ」「ヤング」などと呼ばれたりします。逆に20代も半ばを過ぎ、十分なスキルを持ち合わせているのに、あまりに没個性なスケートをしていると「ヤツは滑りがキッズだ」などと陰で言われることもあるのです。それはスケートボードの残酷な一面でもあり、だからこそ面白い一面でもあります。キッズ…世間一般的にはどうか知りませんが、スケート界隈ではディス表現のひとつとして捉えてもいいでしょう。「滑りがキッズ…」言われたらトラウマレベルでツレェ(笑)。
 それではスケートキッズが持ち合わせていないもの、それは何かと考えてみると、こだわりや美学という目に見えない抽象的なものだったりします。そこには経験はもちろん、自分の頭で考えるって作業も必要になってきます。「スキル云々よりもどれだけ強くこだわったスケートできているかだよ、プロってのは」そう熱弁する、フィルマーのMくんの話に妙に納得した先日の昼下がり。ついでに自分の考えることも付け足しておくと、「どこでどんなトリックをやる」ってのはその人のスタイルを表す重要な要素となりますが、逆に「どんなことはしない」っていう引き算の思考も必要であると。自分を知り、無駄を取り除くのもまたひとつのこだわりであり、美学なのかなと思うところ。
 なんて書いてみたところで、はたして自分がそれらを実践できているのかと自問すると満足に「Yes!」と言えない自分もいたりするのです。かくしてスケートについて考えてみてはその奥深さにやられてみたり、自分の非力さに今日も枕を濡らすのであります。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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