Vans x Krooked by Natas Kaupas for Ray Barbee

オールドルーキー
──タトゥだらけの新入生

2022.05.06

 先日のこと、見知らぬアカウントからインスタをフォローされ、どちら様かと覗いてみると、とあるパンクバンドのフロントマンのTくんでした。以前から付き合いがありインスタ上でも繋がってはいたので、どうやら新しくアカウントを作り直したようでした。そこで何よりも目を疑ったのは、「バンタンスケートデザイン 六期生」と書かれたプロフィール欄。去年あたりからスケートボードに興味を持ち自分に連絡をくれていたりしたのですが、まさか学校に通うほど本気で打ち込んでいたとは…。そんな彼は大人への階段を駆け上がる10代でもなければハタチそこそこでもない、僕より少し年上の38歳であります。そしてすぐさま連絡をしてみたのです。
 遡ること12、3年でしょうか。当時僕も少しバンドを齧っていて、いつも使うスタジオの店長を務めていたのが福岡から上京したてのTくんでした。生活圏が近く共通の仲間も多いのですが、音楽界でやってきた彼がスケートを始めるとは完全に予想外。聞くと新型コロナを機にバンド仲間とクルーザーをゲットし、初めは移動手段として乗り始めたところ完全にスイッチON。そこで自宅から近いInstant吉祥寺店を訪ねてみたところ、その出立ちを見たショップスタッフから「吉岡賢人の友達ですか?」と聞かれたそうです。そこで初めてJapanese Super Ratを調べていく中で彼がバンタンスケート科に在籍していたことを知ることに。自身も地元で針音墨(ハリネズミ)なるバンドで活動していたことからも運命を感じ、38歳でバンタンへの進学を決意したそうです。
 よくありがちな話ながら、このコロナ禍で生活が一変。店長を務めていた音楽スタジオは不安定な営業を余儀なくされ、勤続10年の節目ということもあり退職。空いた時間を使って新しいことを始めようと、かつて音楽と並んで興味を持っていたというスケートボードをゲット。また現在活動中のバンド、The トリコロールでは外国人からも好反応のようで、彼らにもメッセージを伝えるべく英語の勉強も開始。またカルチャーやデザインも学びたいとの強い気持ちからバンタンに進学。「バンドのフロントマンとしてどっしり固まったものを掴み、その先に活かせるような動きをしていきたい」と言っていました。
 僕が知っていたのは、全身に刻み込まれたタトゥと、酒に酔っては高円寺の街をフラつく絵に描いたようなパンクスのTくん。その出立ちこそ変わらないものの、無駄な酒は断ち、昼夜逆転の生活からも一変し、早寝早起きの健康&スケートライフを送っている現在。それこそ親子ほど歳の離れた「同級生」らとのスケートを何よりも楽しんでいるようで、周りに教えてもらいつつ、ランプで喰らう顔着すら新鮮だと笑って話すTくんの顔はまるで少年のようでした。そして何より、38歳にして心機一転、学校に通い始めるという行動力に、僕も強く背中を押された気分。スケートボードがきっかけで新たな道を進み始めたTくんの今後の動きが楽しみでなりません。応援してるぜ、トオルくん(あ、名前言っちまったw)

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 




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