ギブ&テイク

 ヒッチハイクの経験者ってどのぐらいいるのでしょうか? 見ず知らずの人の車に乗る、もしくは人を乗せるというのは少しだけ勇気のいることでしょう。先日仕事の途中、高速道路入り口付近で見かけたヒッチハイカー。行き先を掲げて退屈そうに待っているヒッチハイカーも多く見かけますが、彼は様子が違っていた。満面の笑みを行き交う車に投げかけていたのです。「めっちゃいいヤツそうだし、あんな人なら乗せてみてもいいかな」なんて思わせてくれる雰囲気。きっとあの人はヒッチハイクに慣れているのだろう。もし車に乗せていたら面白い話がたくさん聞けるに違いない。
 ヒッチハイクの経験はないですが、デッキ片手に出かけた旅行先のあちこちで多くの方にお世話になってきました。スケートボードを通じて知り合えた仲間にその土地での遊び方だったり仲間の集まる場所、調子のいいメシ屋に連れて行ってもらったり、寝る場所を提供してくれたり。それが時としてバンの中だったり飲食店のバックルームという場所ですらありがたく、特別な瞬間だったりするのです。そんなこと、パッケージされたツアーじゃ経験できないし『地球の歩き方』にも載ってない。スケートボードが人をあちこちに連れて行ってくれる。そしてコミュニケーションツールとしても機能し、「初めまして」の人とも関わり合うハードルは下がり、行く先々でリアルな楽しみ方を享受することができる。これこそが我々スケートボーダーの最大の強みだとも言えるでしょう。言うまでもありませんが、どこかでオイシイ経験をさせてもらったのであれば、自分の地元に迷いこんできた旅人にも同じように接し、恩返しするのも忘れずに。ナイスなスケートスポットやローカルのソウルフード、観光や寝場所のアテンドがあればきっとその地に愛着を持ってくれるに違いない。今後自分に残されているスケートライフでも、この「ギブ&テイク」をより可能な限りメイクしたいと思うのです。
 これは僕の地元の友人の話です。10年近く前だろうか、自宅から片道100kmはあろうかと思われる沖縄県の最北端の岬を目指してプッシュの旅に挑戦したその友人。念のためウィールとベアリングのスペアを携帯し万全の準備。無事に目的地に到着、折り返しの帰路をしばらく進んだ頃ハプニングが起きたそうな。ウィールでもなくベアリングでもなく、トラックのキングピンが折れるというまさかの事態。その友人は結局観光客の運転する車にヒッチハイクで乗り込み自宅に帰ることができたそうな。「旅にトラブルは付き物」とはよく言われますが、デッキを持った旅こそトラブルばかりでしょう。しかしそれをはるかに超える楽しみがあるのもまた然り。次はどこへ行ってみようかな、どんな旅人スケーターをもてなすことができるかなぁ…。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

Nixon x C.R. Stecyk III
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