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 「今年はどこも行かなかったなー」なんて物言いは、近年の通例になってい…
──夏の冒険心、そして高揚感。

2013.09.10

 「今年はどこも行かなかったなー」なんて物言いは、近年の通例になっていた。初秋になると、きらめく夏の光景に思いを馳せ、白い砂浜、緑の海、青い空が脳内をぐるぐると回っている。いつからオレは夏を台無しにする男になったのだろうか。「仕事?」そんなのはイケてないヤツがすぐ口にする言い訳。そう、思い返してみれば、かつて自分は、冒険心にも似た高揚感を携えて、さまざまな土地を旅したじゃないか。夏は男を動かす季節。成長させる季節。ひとつひとつ夏を越えて、男は磨かれる。そう信じている自分はまだここにいるはずなのだ。

 2013年・夏。まぁ仕事はそれなりにあった。けれど、近年のイケてない自分に終止符を打つべく、今夏は仲間とアメリカはLAへ、そしてスケーターたちと四国へ出かけた。飛行機のシートで、クルマのシートで「そうこれこれ!」と膝を打ちたくなる衝動。新たな土地へ訪れる行為には、フロンティアスピリッツといえば大げさだが、かつて感じた高揚感と冒険心がたしかにあった。

 ふたつの旅はすべてが大満足、超ハッピー!! とはいかなかったけれど、得るものが大いにあり、新たなことを考えさせてくれるきっかけとなった。夏は男を動かす季節。成長させる季節。やはりその通りなのだろう。“満喫”なんてチープな表現はしたくないが、季節の醍醐味を大いに味わうことはできたようだ。

 そんな我らが夏の出来事は、9月30日に発売となるスライダー最新号Vol. 16でご覧頂けるはずだ。第1特集はズバリ“LA特集”、そして第2特集ではスケーターたちともに訪れた四国での模様をお届けする“VANS JAPAN TOUR”である。ただいまスタッフ総出で、来る9月30日の発売に向けて締切の真っ最中。とにかく夏休み気分が抜けないのか、いつになく進行が悪くタイトなスケジュールだが、不思議な充実感を感じながら編集作業を行っている。ぜひ僕らから提案する今夏の“自由研究”にご期待いただければと思う。そう、ひとつひとつ夏を越えて、男は磨かれる!

――Kota Engaku

 


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