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ハワイ出身のポスト・ポップアーティストとして知られるアーロン・カイ
──AARON KAI

2015.04.03
Aaron Kai
ハワイ出身のポスト・ポップアーティストとして知られるアーロン・カイがサクラメント発のハットブランド、Officialよりシグネチャーコレクションをリリース。そのプロモーションとして、Pacific Rim Tourと題したアジアツアーで初来日を果たしたアーロンに話を聞いた。
[JAPANESE / ENGLISH]

Interview by VHSMAG Photos by M3000 Special thanks: Sonik Distribution
 

VHSMAG(以下V): まず、アーティストとして創作活動を始めたきっかけは?

アーロン・カイ(以下A): 18歳の頃に故郷のハワイを後にして、映像の専門学校に行くためにサンフランシスコに移ったんだ。でもやりたいことは映像じゃないって気づいた。絵は昔から描いていたんだけど、9時〜5時の仕事に就くことなくアーティストとして生きていこうと決めた決定的瞬間は、初めてオレの作品が突然$1,000で売れたときだった。当時は「最高! 月に2枚売れれば生活できるじゃないか!」って思ったよ。それから1ヵ月ほどして仕事を辞めたんだ。これで創作に費やす時間を8時間も増やすことができる。だから初めて作品が売れたことでアーティストとして生きていく自信がついたってわけ。

V: 初めて絵が売れた時の状況を教えて?

A: 仲間ふたりと日本人が経営しているサンフランシスコのカレー屋で飯を食っていたんだ。3人でしゃべっていたらカレー屋のマスターが「そのフーディいいね」って言ってきた。オレたちは当時Bapeのフーディをよく着ていたんだけど、マスターも昔Bapeやスニーカーをコレクションしていたらしい。そういうわけでオレに興味を持ち始めたから、オレのペインティングを見せてみたんだ。すると値段を聞いてきたから適当に$1,000って伝えると「マジか? それだけでいいのか?」って。そうして初めて作品が売れたんだ。$2,000って言えばよかったよ(笑)。それから数週間後には大きめの作品がまた$2,000で売れて、さらにはハワイでレストランを経営している知り合いからハワイに来て作品を店用に制作してくれと誘われた。すぐにバイトを辞めてハワイに飛んだよ。そういうわけで、気がついたらフルタイムのアーティストになっていたって感じだね。

V: アーティストとしての転機となった出来事は?

A: 今回のOfficialとのコラボのように、世間に認められたブランドと仕事をするようになったことかな。The Hundredsのオフィスの中に壁画を描いたのも自分にとっては大きな転機だった。オレのマネージャーは昔からの仲間なんだけど、駆け出しの頃はふたりでがんばってなんとか活動を続けて、4ヵ月の間に4回もHYPEBEASTでフィーチャーされるまでになった。それもThe Hundredsの壁画のおかげだね。The HundredsやOfficialのような素晴らしいブランドのサポートが転機となったのは間違いないね。

V: 作品を制作するプロセスはどんな感じ?

A: 壁に描くときは、まず鉛筆で作品のベースとなるアーチを描き、その中に波を描いていくんだ。薄い色から始めて少しずつ濃い色へと移行して色を塗っていく。そして最後に輪郭を描く感じ。完成像は頭の中にあるから、制作を手伝ってくれる仲間にそのイメージを伝えることが大変だね。それに創作活動は時間の管理でもある。時間をムダにしないことがアーティストにとっても周りにとっても重要となる。制作しながら仲間に怒鳴ったりすることがあっても、最終的に美しい作品が完成すれば「これはみんなで力を合わせたからこそ完成したんだ。オレたちの作品なんだ」とすべての苦労が報われるね。

V: ではどのようにしてモチベーションを保っているの?

A: オレはとにかく人を驚かせて感心させたいんだ。そのためには、次々と作品を制作しないとならない。ひとつの作品だけで人を永遠に満足させることなんでできないからね。それに、オレの最終的な目標は最高のアーティストになること。オレにとってはそれが大切なんだ。どうすれば時代を代表するアーティストに一歩でも近づくことができるか。そう思っているからこそモチベーションを保つことができているんだと思う。

V: 作品で波をモチーフにするようになったきっかけは?

A: 昔は学校に行く前と放課後によくサーフィンをしていたんだ。オレは成績がかなり悪い劣等生だったから、授業中はずっと波を描いて過ごしていた。すぐにでもビーチに戻って波に乗りたかったからね。そうしてサンフランシスコに移ってからも波を描き続けていたら、それが周りに好評でそのスタイルを貫くことにしたんだ。オレはハワイ出身でサーファーでもあり、名前がハワイ語で海という意味を持つカイ。波以上にオレにぴったりなモチーフはないだろう?

V: ではOfficialとのコラボはどのように実現したの?

A: 突然メールが来たんだ。Officialのリテールマーケティング担当のジェイソン・ペレットとはベイエリアに共通の仲間がいたし、趣味が似ていたからすぐに打ち解けることができた。それからミーティングを重ねて、比較的すぐにコラボコレクションが完成した感じだね。インスタグラムで発信した作品がきっかけでプロジェクトの声がかかることも多いね。

V: 今回のOfficialとのコラボアイテムの中でお気に入りは?

A: 全部気に入っているけど、強いて言うならBlack Wave Buckitというバケットハットかな。コットンの黒地に黒のフェルトを配している。Officialの担当者と初めてミーティングをした翌日、デザインのインスピレーションを求めてサンフランシスコのBarneys New Yorkに行ったんだ。ハイエンドなハットを作りたくて最適な素材も探していた。すると、黒のフェルトが貼ってある白いシャツを発見したんだ。そこからインスピレーションを得て今回のBlack×Blackのバケットハットが完成した。Birds of Paradiseのパターンも好きだし、Waves of Womenも好評だね。

V: では今後の予定は?

A: 年末にロサンゼルスのギャラリーで大規模なアートショーを予定している。新しい作品や今回のアジアツアーで売れ残ったものを展示するつもり。The Hundredsのブログでオレのウェブビデオシリーズも始まるし、ヤツらとのコレクションもリリースされる。これからも変わらず創作活動と旅を続けて、作品をできるだけ多くの人に知ってもらう努力をする感じだね。

V: 20代半ばで世界を旅できるアーティストとなったわけだけど、アートを通して伝えたいことは?

A: 人生は自分次第で何とでもなるということを伝えたいかな。どうすれば自分の思い描く生き方ができるか。それを考えるきっかけになることができればといいと思う。誰にだってそうできるはずだからね。

 

アーロン・カイのシグネチャーコレクションはこちらでチェック。

問い合わせ:Sonik Distribution  03-5245-3200

 

AARON KAI CAPSULE COLLECTION RELEASE & ART EXHIBITION AT ESP TOKYO

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Aaron Kai

ハワイ・ヒロ出身サンフランシスコ在住。波をモチーフにしたスタイルに定評のあるポスト・ポップアーティスト。The HundredsやOfficialなど、リスペクトを集める数々のブランドとコラボを行いながら創作活動を続けている。
@aaronkkai

 

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