VANS SLIP-ON PRO

マルチな才能でワールドワイドに活躍するルーカス・ビューフォート。ロックダウンされたフランスでSTAY HOME中のアーティストにメールインタビュー。
──LUCAS BEAUFORT

2020.04.24

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photos courtesy of Lucas & Brixton Japan

VHSMAG(以下V): 先に始めたのはスケート? それともアート?

ルーカス・ビューフォート(以下L): かなり小さい頃に母親にスケートボードを買ってもらったのは覚えている。それ以来ずっとスケートに熱中してきた。オレの人生で初めてインスピレーションを与えてくれたのがスケートだったから。アートもずっと好きだったけどペインティングを始めたのは27歳。意外かもしれないけどかなり遅くなってからなんだ。

V: 初めて創作した作品は?

L: 27歳の頃、クリスマスに弟に何か特別なものをプレゼントしたいと思ったんだ。私的な何かを贈りたかった。そこで絵の具を買ってきて大きな絵を描き、額装することにした。無数のおかしなモンスターたちの絵だった。それが初めて絵を描いた瞬間。弟のために描いたその絵を見て、みんなが絵を描き続けたほうがいいって言ってくれたんだ。そうして今の自分があるってわけ。

V: 影響を受けたアーティストは?

L: フェルナン・レジェ、ジェフ・マクフェトリッジ、ヘンリー・ジョーンズ、マット・カリニャンとか…これはほんの一部だね。

他人の写真の上に絵を描く理由はそこにリスペクトがあるから

V: アーティストとしての転換期は? 自身の名前が広がったきっかけは何だったの?

L: 昔からずっとスケートとかスノーボードとかの雑誌が好きだったんだ。何冊も買って自宅で保管してきた。それである日、Viceの表紙に絵を描こうと思った。そしてその写真をViceに送ったら気に入ってくれたみたいでオンラインに投稿してくれたんだ。それから毎号送ってくれるようになった。さらに当時持っていた他の雑誌にも絵を描いて、編集者、フォトグラファー、ライダーたちに送ることにしたんだ。するとみんな喜んでくれたんだよね。ただ彼らの写真にリスペクトがないと思ってほしくはなかった。他人の写真の上に絵を描く理由はそこにリスペクトがあるからなんだ。キャラクターを写真の中に入れることで、オレも現場にいるような感覚になれる。オレも写真の一部になることができるんだ。だからオレが再構築した表紙をいろんな雑誌がオンラインに投稿してくれたのが転換期かな。

V: なるほど。それ以来いろんな形の創作活動をしてきたと思うけど、中でも印象的な作品は?

L: 2018年9月にモントリオールのビルに壁画を描いたんだ。25 × 25mというかなり巨大な壁だったんだけど、オレは高所恐怖症。描くときはとりあえず高さを忘れるように心がけた。創作期間も4日と限られていたから毎日16時間描き続けて完成させた。その他にもアジア全域のW Hotelに描いたり。そのプロジェクトで中国のいろんな街やアジア諸国に足を運ぶことができた。旅に出て新しい発見をしたり人と出会ったりするのが好きなんだ。それが創作の最大のインスピレーションだと言える。



V: ルーカスが生まれ育った南フランスの環境はどんな感じだったの?

L: 生まれ育ったのは地中海沿岸コートダジュールのカンヌ。美しい街でいつも晴天。ビーチ沿いにクロワゼットという大通りがあって、そこが最高のスケートスポットなんだ。10代の頃はそこでスケートをしながら多くの仲間と出会うことができた。かなりいい感じのクルーがいたんだ。オレはもうそこには住んでいないけど、カンヌに戻って若いスケーターを見ると今でもワクワクする。次にカンヌからどんなスケーターが出てくるか楽しみになるんだ。

V: これまで数々のブランドとコラボしてきたわけだけど、オファーを引き受ける基準は?

L: 基本的に好きなブランド、またはすでにアイテムを持っていたり買いたいと思えるブランドとのコラボのオファーはすべて引き受けるようにしている。ただブランドのコンセプトやアイテムがオレの考えと合わない場合は断るようにしている。たとえば電子タバコやエナジードリンクとは絶対にコラボしない。彼らのアイテムは好きじゃないから。

V: ではBrixtonとのコラボはどうやって実現したの?

L: Brixtonヨーロッパ支部に知り合いがいたんだ。それでBrixtonがパリで開催したグループ展に参加することになって、ブランドのチーム全員と会うことできてガッチリ繋がったんだ。それから数ヵ月してフルコレクションが実現したってわけ。

瞬間瞬間に湧いてくるインスピレーションに忠実に創作できるのがベスト

V: 実現までのプロセスはどうだったの?

L: Brixtonは何でも自由に創作させてくれたからプロセスはかなりスムースだった。「こうしてほしい、ああしてほしい」という要求もなかったからやりやすかったね。アーティストにとってはそれが一番。その瞬間瞬間に湧いてくるインスピレーションに忠実に創作できるのがベストなんだ。

V: コレクションに登場するキャラクターは?

L: あれはGus Gusというキャラクター。人生を導いてくれる友達であり、オレのほとんどの作品に登場するキャラクターだね。

V: 今回のコラボで心がけたことは?

L: 不可能なんてないということ。

V: 今回のコラボのプロモビデオで「オレはドリーマー」と言っていたけど、夢を持つことの魅力は?

L: オレはドリーマーではあるけど、ゴールはその夢を実現させること。夢を頭の片隅にそっと置いとくなんてことはしない。それがモチベーションになるし、だからこそオレは誰よりも働き者なんだ。

V: ではアーティストとして現時点の夢は?

L: 航空機に絵を施したい。もうすぐ実現しそうだからお楽しみに!

V: 新型コロナウイルスでフランス全土がロックダウンされているけど、最近はどう過ごしているの?

L: ずっと世界中を旅していたから長い期間自宅にこもったことがないんだ。昨年にノルマンディーの田舎に移って美しい一軒家に住んでいる。今はそこで新しいアイデアを練りながら今まで以上に創作意欲を高めているよ。

V: では最後に、ルーカスにとってアートとは?

L: アートとは心の中にあるもの、そしてその表現方法。

 

Lucas Beaufort
@lucas_beaufort

1981年生まれ、フランス・カンヌ出身。独特なキャラクターを駆使した作品で知られるアーティスト。数々のブランドとのコラボレーションに加え、ドキュメンタリー作品を手掛けている。

 

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