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記録より記憶
──AI vs 美意識

2019.08.09

 開催まで1年を切った東京オリンピック。「スケートボードの観戦チケットの抽選が当たった」と狂喜している方もいることでしょう。果たして誰が出場し、誰がMCやジャッジを担当し、誰がこの世界大会を支えていくのか。そんな情報にしばらく敏感になる日々が続きそうです。最近見たニュースだと、体操競技ではAIによる判定、採点が行われるとのこと。技が高度化し、審査員の目視での判定が難航している現状への対策らしいのですが、元は冗談として話していたことが現実になったのだとか。AIにより手足の位置や関節の曲がり具合から技の正確さが判断・点数化されるようです。公平なジャッジは当然のことながら、これには「?」となってしまうのは我々スケーター特有の感覚だと信じたい。そもそも体操もスケートボードも採点競技。球技みたく獲得した点数やコースをどれだけ速く走り抜けたかのタイムで競うのとは趣向が違うはずです。まったく違う畑のことにとやかく言うつもりはありませんが、もしAIでスケートボーディングが判定される日が来るのならそれはゾッとする話。場合によってはかっこよくも映るお手つき、ギコさに人気があるスケーターも評価されない…なんてことも起こりえます。
 「スケートボードはAIに判定される世界ではないな〜」。そう感じた先日のX Games。ビッグエアーコンテストにおいてスケート史で初となる1260がメイクされましたが、映像に映し出された会場の熱気とは裏腹に世間ではどうやらいまひとつ盛り上がりに欠けているようです。もし「数年前に最初に1080をメイクしたのは誰?」 なんてテストが出たらグーグル先生を使わないと自分は答えられません(気になる人は調べてみてね)。もちろん1080も1260もこれまで不可能だとされていたもの。それが可能だと証明されたことは快挙であり、そこに至るまでさまざまなストーリーがあっただろうことは想像に難くないですが、20年前のX Gamesで900をメイクしたトニー・ホークのような伝説にはなり得ないんじゃないでしょうか。そこが数値や正確さといったものが必ずしも重要視されるわけでないスケートボードの面白さであり、同時に残酷さでもあるところ。時に自殺行為とも取れるほど、他のスポーツ以上に身体を酷使しながら「スポーツ」として扱われるのを毛嫌いされる風潮が根強くあるのもきっとそういうところ。
 東京オリンピック、新競技として注目されるスケートボードの、そのもうひとつの側面である「斜に構え、やんちゃで遊び心溢れた」スケーターの様子も本来あるべき姿として一般的に認知される将来を僕は願ってやみません。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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