VANS - SKATE CLASSICS ANDREW REYNOLDS COLLECTION

松本より愛を込めて
──FS HEELER

2020.12.25

 スケーターの個性を際立たせる要素って何だろう? それはスポットチョイス、手足の動き、ファッション…などといったものになるのですが、その最たるものといえばやはりトリックだと思います。どこでも引き出し可能な域まで磨き上げた得意トリックこそがその人を象徴するものだったりします。たとえばアンドリュー・レイノルズのFsフリップやデーウォン・ソンのフェイキーマニュアルのレパートリー、三本木 心のBsノーズブラントだったりするのでしょう。それは高難度で時代の先端を行くものだったり、常人を寄せつけない屈強なスポットでやっちゃうレベルのものほど見るものを納得させるってもの。そこまでは言わずとも、絶対的な自信のあるトリックのひとつやふたつがあるかと問われれば「……」となる人もきっと多いはずです(大丈夫、自分もです…)。
 そういや先日、インスタグラムのとあるストーリーが盛り上がっているのを眺めておりました。元渋谷Mortarスタッフで、現在は地元の長野でCanola Skateshopを営む博士が発信源だったのですが、「あなたの思うベストFsヒール(メインスタンスオンリーで)プレイヤーを挙げてくれ」と。これに応える形でそのフォロワーから寄せられたさまざまなFsヒールの名手、名場面がリポストされていました。記憶が少々曖昧なのですが、要約すると「Fsヒールってなかなかマスターしてる人って少ないよね。そして映像にもそんなに出てこないよね」というようなところだったと思います。なるほど納得、比較的オーソドックスなトリックの割には上手く使いこなせてる人を多くは見かけません。やってみると実際はま〜あ難しいよネって話なんですが、その目のつけどころは流石の一言で、一連の投稿を面白く拝見させていただいた次第。そんなFsヒール、逆にマスターしちゃえばちょっぴりプロップスも上がっちゃうかも! スケゲーでも必殺の一撃ともなり得るワケです。僕がスケートしたての頃に愛読していたHow To本では田口 悟先生が披露しておられ、僕も家の前なんかで練習してたなぁ…でもやっぱり今でも難しい!
 そんな隙間産業的トリック、Fsヒールについて考える機会をストーリーでボムしてくれた博士。彼もまた得意トリックであるはずのノーリーヒールやノーリーBsヒール(チコフリップ)をパークやストリートでボムし、世間を騒がせてきたひとり。ショップとしての活動もスケート愛に溢れ、ウィットに富んだ様子が伝わってきます。彼が先導する地元のシーンも、これからどんどん面白いものになっていくに違いありません。

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 





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