「鉄は熱いうちに打て」とはよく耳にする諺のひとつ。どうやら"Strike while the iron is hot."という英語の諺をそのまま日本語に翻訳したものらしい。それにしても「若いうちが最も吸収できるんだから、今のうちにちゃんと勉強しておきなさい」なんてよく言われたなぁ。
スケートボードを始めるにも、やはり年齢が若いに越したことはありません。いい意味でも悪い意味でも意識の高い親御さんが子供にスケートボードができる環境を与えてくれるおかげで、熱いうちから、つまりは若いうちからアツい滑りを繰り出すキッズも多く見かけるようになりました。ヤツらの吸収能力といったらもう…お手上げ。
積み重なる年齢やスケート歴とは逆に、その吸収能力は一定の段階を迎えると徐々に減っていくのは悲しくとも誰もが経験することでしょうか。冬の寒さも加わるとさらにエンジンのかかりも悪く、基本的な動作確認だけでその日のスケート終了なんてこともザラ。トリックを吸収するためにはより多くの時間を消費せねばなりませんが、今度は体力が追いつかねぇ。あの頃の吸収能力、どこ行った!
かつてのバイト先の仲間が言っていたことが今でも記憶に強く残っています。「自分は今がいちばん若いんだから」と。「今がいちばん若い」とはもちろん、1秒1秒と進んでいく時間の中で未来から見ると今の自分がいちばん若いってこと。実際に今よりもずっと若く、何も考えていないような頃の自分にとっては衝撃的な言葉でした。
時にこの言葉を思い出してスケートボードと向き合っております。スケーターとして華々しく活躍している未来が自分にあるとは思えませんが、時にダラけつつ、でも将来悔いのないようにやる時ゃやるってな感じのスケートライフを送りたい。まだまだ、気持ちの面でおいらの鉄はアツいんでな〜。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)










