
1時間近くあるような、つまりはサクッと再生することのできない長編の作品を観る頻度がかなり減ってしまいました。しかしそれでもたまに観たくなるものもいくらか存在します。自分にとっての代表的な作品のひとつが、20年以上前の作品ですが『Chomp On This』だったりします。以前にもこのYo! Chuiで書いたことがあるので(www.vhsmag.com/yo-chui/chomponthis)、気になってしまったイケてるスケーターや、改めて過去を振り返って思い出に耽りたいパイセンクラスのみなさまはこちらをチラ見してみてくださいませ。
フォトグラファーやフィルマーといった、いわば裏方職のスケーターが大々的にフューチャーされている本作品。全体的にストイックでもヌルい感じでもないながら、楽しんで作品作りに取り組んでいる感じが一番に出てて、観てるこっちまでスケート欲を掻き立ててくれます。中でもイントロ部分が個人的にお気に入り。錚々たる裏方職のみなさんが、名ハンマースポットを攻めてるんだけど…「アレ!? ちょっとスピード感とかいろいろ怪しくね?」ってこれはテールヒットの瞬間と着地の瞬間だけを切りとりメイクしたみたく見せてる編集(とはいえスケートビギナー時代の自分でもフェイクだとわかる)でいきなり笑わせてきます。当時ローカルの仲間が持っていたこのビデオテープ、みんなで回して観てはいざ、このイントロ部分を真似して撮影したものです。ちゃんとしたフィルマーや編集者がいたわけでもないので当然ながらの低クオリティだったわけですが。いや、そんなことはどうでもよくて、「ちゃんとメイクしなくてもいいんだ! これも見せ方として映像になり得るんだ!」と衝撃を受け、真似して遊んでたわけよ。言うまでもありませんがこれはあからさまに出来てるはずのないことを面白く見せているからいいのであって、かねてより写真媒体において裏話として時々聞こえてくる、「これ写真だけは撮れてるけど実際はメイクしてないんだよね…」ってのとはまったくワケが違ってくるので、そこんとこだけ間違わずにヨロシクっす。
あ、そんでタイトルの「すっぴん」ですが、これは撮影やスポットに滑りに行くも何もメイクできなかった、つまりはノーメイク(≒すっぴん)っていうジャパニーズスケートスラング。使っているのはオレだけなんだけどね、デュフ。
—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)