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胃に優しいスケート論
──大きなお世話…

2025.12.05

 控えめに言って昨今のスケートボードはクレイジー過ぎる。シーンの先端を進む者たちの、特にビッグトリックの応酬は人間業とは思えぬものばかり。もはやAIによるフェイクを疑ってしまいます。いや、仮にAIを使ったフェイククリップが正式なパートに使用されようもんなら、それはスケートシーンに対する冒涜もいいところ。それは悪評として生涯その人について回り、永久にシーンからBANされるレベルなんでいい子は決してやらないように。わかりやすいおふざけならギリOKかも、というところでしょう。
 話を戻しましょう。ビッグトリックの応酬…「これ、そのうち撮影中の事故で人死んじゃうよねぇ?」とつい余計なことまで考えてしまいます。「どんなにビッグトリックが進化しても、100段ステアのハンドレールは誰もできやしない。30段ステアも飛べやしない」というのが持論なんですが、それもそのうち破られてしまいそう。昨今のそんな映像を観るたびに震え上がるも、同時に胃もたれしてしまう自分がいるのも正直なところ。それが億劫で、マストチェックな映像作品も未チェックのまま、つい忘れてしまっているというドンマイな自分であります。当然ですが自分の限界突破を目指し、デカいリスクをものともせずトライするスケーターたちを悪く言うつもりはなく、リスペクトしてなりません。しかし大きなお世話ながら「この人たち、心の奥底から楽しくスケボーできてるのかな?」と思うことも少なからずあるんすよね。
 やっぱりね、スケートボードは楽しさが一番にあってほしい。乗っている時に感じる振動や音の気持ちよさが一番にあってほしいと思うわけです。そしてそれが観る人に伝わってくるような映像が好きですね。ビッグトリックやヒルボム、超絶テックもどでかいトランジションも、スケートボードの未来を思うと日々アップデートされて然るべき。しかしスケートボードの本質、つまりはこの奥深い楽しみが蔑ろにされていくことに少しばかりの危惧を感じる今日この頃。伸び盛りの10代にハンマートリッカーを志すもなれず、かといってテックに打ち込むほどの努力もせず、テキトーにやってきた俺様が言うのもアレだけどな(笑)。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 





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