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パークが増えるのはありがたいけど期待するのは「ここにしかない」もの
──ぜいたく病

2018.06.29

 私生活でもスケートのギアや環境といったことでも、いいものを享受することができてそれに慣れてしまった時、以前の環境に後戻りできないということを本来の意味から転じて「ぜいたく病」と揶揄することがあります。自分にも思うフシは少なからずあり、例えばBonesのベアリングにSpitfireのF4という快適な足回りでスケートを楽しむ今、もはやいくら安くとも多少性能の劣るスターターキット的なギアを使いたいとは思いません。普段スケートをする環境だってメンツや内容も考慮しつつ普段のスポットよりも悪い環境のところに行くなんてことはそうそうありません。歳とともにハングリー精神が失われつつあることに、この原稿を書きながら「ハッ」とした次第であります。
 そんなぜいたく病に絶賛侵され中の身を自覚した上ですが、そのハングリー精神の低下は何かに責任転嫁しがち。「新しいパークができたぞ!」という情報をキャッチするととりあえず行ってみたのは過去の話で、いまや新しい情報をキャッチ→ネットで検索→内容を確認、そして「うわっビミョー…」、「ヘルメット必須だし…」と難癖つけては行き先リストから外すこともしばしば。パークを作る資金や能力もないのにそんな自分の意見を正当化させるとすれば、それは魅力的とは思えないパークが悪い。もちろんスケートできる環境が増えることはありがたいことですが、20年ほど前の日本のパブリックパーク創世記の物件ならいざ知らず、いま現在でも「なぜ今さら…」、「まったく似たようなのが他のパークにも…」といった既視感溢れる物件も多いのです。実際に僕の地元にあるパークと関東の某パークはセクション、そしてその並びが著しく酷似している例すらあります。パークを作る上でのルールというのは聞いたことはありませんが、さすがにそれではあんまり。個々のスケーター同様、個性というか「ここにしかない」というようなもののひとつやふたつをパークにも期待してしまうのです。さらに言えば「これどうやって使うの?」と考えさせられ試行錯誤できるセクションを置いていたり、地形を活かした作りのパークこそいいパークだと思うのです。
 なおDIYのパークですが、自分が最近もっぱら気になるのはスペインのDinero DIYなるパーク。パークというよりスポットと言った方が良さそうなその工場の跡地には車や飛行機を模したセクションや紙幣とコインを模したもの、ロレックスの時計を模したマニュアルパッドなど…この字面を見ただけではおよそどんなものなのか想像できない「何ぞコレー!?」なセクションが並びます。そしてそれらひとつひとつがアートとしても捉えられている、まさに唯一無二のスポット。なんでも深夜のセクション作りの作業中、警官からの注意にも「アートプロジェクトだ」で納得して引き下がってもらったそう。そんな趣向を凝らした場所があるのなら、どれだけ遠かろうが少し贅沢にお金をかけてでも行ってみたいと思いませんか?

─Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 

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