アレックス・オルソンがプロに昇格したことで、世界初の2世代プロスケーターが誕生したとスケートコミュニティを騒がした2008年よりも数十年前から2世代プロを輩出してきたサーフィン。その長いサーフ史の中で、フレッチャー一族は世代を超えたプロやレジェンドを次々と輩出してきました。ElementやRVCAに所属するグレイソン・フレッチャーもその血筋を受け継ぐひとりであり、現在は世界トップのトランジションスキルを誇るスケーターとして活動しています。
曽祖父のウォルター・ホフマンは'50年代におけるビッグウェーブのパイオニア、そして大叔母のジョイス・ホフマンは世界チャンピオン。祖父のハービー・フレッチャー、父のクリスチャン、そして叔父のネイサンは世界を代表するサーファー。そんな中、グレイソンはカリフォルニア州の内陸であるアナハイムに住んでいたこともあり、一族のブラックシープ的存在としてサーフィンではなくスケートに傾倒していきました。
グレイソンの人間離れしたトランジションスキルはエアリアルサーフの先駆者である父と幼少期から過ごしたことで身についたのだと思っていたのですが、両親が幼少期に離婚したことで母親に引き取られ、やがてヘロインに溺れていった父とは大人になるまでほとんど接することがなかったようです。それでもあれほどまでのトランジションスキルを身につけることができたのは、やはりフレッチャー一族の血を色濃く受け継いでいるからでしょう。
そんなフレッチャー一族が輩出したグレイソンによる、並外れたスケーティングを今一度チェックしてください。ラインの組み方、独特なスタイル、トリックセレクション……極上のトランジションスケーティングがぎっしりと詰まっています。
--MK