ATIBA × VANS - UNITED THROUGH SKATEBOARDING COLLECTION 2.0

スケーターに見初められたテニスシューズ
──STAN SMITHの裏歴史

2026.11.06

adidas Skateboardingからヴィンセント・ミルーによるStan Smithのカラーウェイが発売されました。テニスシューズの名作として知られるStan Smithですが、実はadidasが本格的にスケート市場へ参入する以前からスケートコミュニティとのつながりがありました。

1960年代にテニスシューズとして誕生し、後にアメリカの名選手スタン・スミスの名を冠したこのモデル。ホワイトレザーのアッパー、パンチングで表現されたスリーストライプス、クリーンなシルエット。現在ではファッションの定番として広く認知されていますが、その歴史をたどるとストリートスケートの黎明期にも行き着きます。

'90年代初めのスケーターたちは必ずしもスケートシューズを履いていたわけではありませんでした。バスケットボールやテニスなど、他競技のためにつくられたシューズをスケートに取り入れることは珍しくなく、adidasのSuperstarやCampusもそんな流れのなかで支持を集めていました。

Stan Smithもそのひとつ。象徴的なのが、'94年にリリースされたGirlの1stビデオ『Goldfish』。リック・ハワードがホワイトのStan Smithを履いて滑る姿は、当時のスケートシーンを切り取った印象的な記録として残っています。今でこそスケート仕様にアップデートされたモデルが存在しますが、当時のハワードが履いていたのは本来テニスのためにつくられたもの。

もうひとりStan Smithとの関係を語るうえで欠かせないのが同じくGirlのOGであるティム・ギャビン。後にDVSやLakaiの設立に携わったギャビンは、過去のインタビューで初めてスケートしたシューズがStan Smithだったと明かしています。さらに自身の初シグネチャーシューズは、そのStan Smithを手本にしたもの。つまりStan Smithは、実際にスケートで履かれていただけでなく後のスケートシューズのデザインにも影響を与えていたのです。

adidasがスケートシューズの展開を始めたのは'90年代半ばと記憶しています。'98年にはゴンズやランス・マウンテンらを擁するチームが本格始動。その後、紆余曲折を経て、Stan Smith Vulcなどオリジナルのデザインを踏襲しながらスケート仕様へと進化させたモデルが登場してきました。そして今回、歴史ある名作に新たな機能性が追加されミルーのカラーウェイが登場。

Stan Smithとスケートの関係は、adidasのスケートプログラムによって生まれたものではありません。'90年代にスケーターたちが自分たちの感覚で選び、履きつぶし、文化の一部にしてきた歴史があります。今回のミルーのStan Smithがそんな長いストーリーの延長線上にあると思うと、単なる新色以上の意味を感じざるを得ません。

—MK

 


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