スケートシューズのキャンペーンというと、どうしてもライダー本人の名前やトリックに目が向きがち。しかし、その背景には必ずキャンペーンを支える裏方の存在があります。今回、adidas Skateboardingから発売されたSuperstar ADVのマルコス・モントヤによるシグネチャーカラーウェイも、まさにそうしたプロジェクト。
もちろん主役はマルコス・モントヤ。ただ、このキャンペーンを特別なものへ押し上げているのは、写真を担当したクエンティン・デ・ブリエと映像を手掛けたグレッグ・ハント。
クエンティン・デ・ブリエは、ファッションとスケートの境界を横断するフォトグラファーとして高く評価されています。彼の作品はThe Wall Street Journal、Holiday Magazine、Self Service、Vogueなど数多くの媒体に掲載され、さらにCalvin Klein、Chanel、Louis Vuitton、Lacoste、Supreme、Zaraといった世界的ブランドとのコラボも重ねてきました。ハイファッションとスケートカルチャー、その両方の文脈で成立する稀有な存在と言えます。
一方のグレッグ・ハントは説明不要でしょう。『Sight Unseen』や『Mind Field』を通じて、スケートビデオの表現を更新してきたフィルマーのひとり。過剰な演出やスピード感に頼るのではなく、スケートそのものの呼吸や空気感を映し出すスタイルが特徴的。静かな画のなかに強度が宿っています。
最近のスケートにまつわる写真や映像は、ライダーの名前だけでなく「誰が撮っているか」「誰が編集しているか」という文脈にも注目されているように思います。フォトグラファーやフィルマーの美学に共感する受け手も増え、裏方のクリエイターもスケーターとともに作品の著者になっています。
今回のSuperstar ADVも単なるシグネチャーカラーウェイでは終わらず、マルコス・モントヤを軸にしながら、クエンティン・デ・ブリエの静かな写真とグレッグ・ハントの普遍的な映像感覚が重なることで、空気ごと欲しくなるプロジェクトに仕上がっていると感じます。
いい作品やプロダクトには必ず良い裏方がいる。そんな当たり前のことを、改めて感じさせるキャンペーンでした。
—MK

















