ADIDAS SKATEBOARDING

CONVERSE CONSはどこへ
──2度目の撤退?

2026.09.28

Converse CONSのInstagramが7月末を最後に更新が止まったまま。そしてここ数ヵ月の間に長年ブランドを支えてきたライダーたちが次々とチームを離れています。ショーン・パブロとセージ・エルセッサーは約12年に及ぶCONSとの関係を終了。さらに今月初めには、2019年のSOTYであり15年間Converseを履き続けてきたミルトン・マルチネスも離脱。

単なるチームの世代交代なのか、それともスケートとの関わり方を変えようとしているのか。この状況を考える上で忘れてはいけないのが、Converseにとってスケートへの参入と撤退は、実は今回が初めてではないということ。

Converseは古くからスケーターに支持されてきたブランドですが、本格的にスケートに参入したのは1997年。ケニー・アンダーソンやシャニー・ジングエニンなどをチームに迎え、シグネチャーモデルもリリース。活動的には本気度マックスでしたが、2001年にスケートプログラムが終了。というのも、Converse本体は同年に経営破綻。売上低迷と巨額の負債を抱え、大規模なリストラと事業再編を進めることに。

つまり約25年前にも、会社の経営が悪化→事業整理→スケートプログラム終了、ということが起きているのです。その後Converseは再建され、2003年にNikeが買収。そして2009年にスケートへ復帰というのが大まかな流れ。

Nikeの2026年度決算によれば、Converseの年間売上高は前年比31%減。Nike自身も現在のConverseについて「戦略的リセット」の最中にあると説明しています。もちろん、この業績とCONSチームの縮小に直接的な因果関係があるとは発表されていません。とはいえ、Converse全体が大きな見直しを進めているタイミングだけに、スケートプログラムのあり方についても何らかの再検討が行われているのでは、と考えるのは自然でしょう。ルイ・ロペスやアレクシス・サブローンらを残して小規模なプログラムとして継続するのか。それとも、さらに大きな変化が待っているのか。現時点ではCONSの終了が公式に発表されたわけではありません。

そんななか、さらに別の問題が。そう、Chuck 70 XのキャンペーンでaespaのKARINAを起用した広告写真の大炎上。写真の白い衣装と影の見え方が、アメリカの白人至上主義団体KKKの尖ったフードを連想させるとの指摘がSNSで広がりました。また、黒いシューズの配置も、黒人に対するリンチの歴史を想起させるという批判も起きています。これを受け、Converseは該当画像を削除し、画像が人を深く傷つけるものであったことを認めて謝罪。

この炎上騒ぎはスケートプログラムとまったく関係のない話ですが、Converseがブランド全体の戦略的リセットを進めている時期だけに、何ともタイミングが悪い。業績や事業の立て直しに加え、広告制作やチェック体制についても改めて問われることになりました。

ただし、ここで明確にしておきたいのが、日本で展開されているConverseと、今回のCONSやKARINAの広告キャンペーンを展開しているNike傘下のConverseは、同じルーツを持つブランドではあるものの、現在は異なる企業によって運営されているということ。

調べたところ、1999年に伊藤忠商事が日本国内におけるアパレル・雑貨分野、2001年にはシューズについても商標権を取得。2002年には子会社としてConverse Japanを設立しています。現在も日本国内のConverse商標権は伊藤忠商事が保有しています。一方で米ConverseをNikeが買収したのは2003年。

つまり、日本のConverse商標権が伊藤忠へ移る→Converse Japan設立→Nikeが米Converseを買収、という順番。ということで、今回のCONSチーム縮小やKARINAのキャンペーンは、Converse Japanの経営判断や広告活動とは直接関係がありません。さらに言うと、日本で展開しているConverse Skateboardingもまったく別モノ。同じ星のロゴでも、日本と海外では財布も経営も違うということ。Converseにはそんな特殊な事情があるのです。

個人的に今回の出来事が興味深いのは、大手スポーツメーカーがスケートを支えることの強さと難しさが同時にあらわになっていること。巨大企業の資金があるからこそ実現できる映像作品やツアー、プロ契約があります。その一方で、ブランド全体を取り巻く環境が変われば、スケートへの投資やチームのあり方も当然その影響を受けることになります。

CONSは継続するのか、それとも2度目の撤退となるのか。Nike傘下のConverseが今後スケートをどう位置づけ、どのような形で関わり続けていくのか。その次の一手を見守りたいと思います。

—MK

 



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