ADIDAS SKATEBOARDING

初めて三谷小虎を取材したのは2019年。『Loveletters to Skateboarding』日本特集の撮影で当時はまだ13歳。取材を終えたあと、制作を手掛けていたSix Stairのリック・チャノスキーが「あの子はこれから世界中を旅して最高の人生を送ることになる。そう思うとゾクゾクする」と興奮気味に話していたのを今でもよく覚えている。
あれから7年。リックの言葉どおり、小虎は世界各地を飛び回りながら、自分のスケートライフを切り開いてきた。adidas Skateboardingによる映像作品『OKWR』もその旅の延長線上で生まれた1本。今回は撮影のために渡米する直前の小虎に話を聞くことができた。
──KOTORA MITANI / 三谷小虎

2026.05.18

[ JAPANESE / ENGLISH ]

Photo_Zander Taketomo
Special thanks_adidas Skateboarding

VHSMAG(以下V): おはよう。今どこにいるの? 大阪?

三谷小虎(以下K): 家っすね。先週ぐらいにグリッチョして、今はそんなにスケートできてないですけど。

V: 早く治さないとね。ちょっと前に『OKWR』が公開されたけど今の感想は?

K: 撮影中はツアーに行きながら徐々に完成させていってる感じやったから、ちゃんと作品になるのかなみたいな感じはあったんすけど、 最終的に完成した映像を観たらめっちゃいい感じにまとまってて。いいビデオだったなって思いました。

V: 『SSTR』を撮り終えてからの1年の撮影期間でいろいろあったと思うけど、個人的に印象的だったトリックは?

K: やっぱり「ちんこレール」をリベンジしたのが自分的にはでかいすかね。

V: 『LENZ III』のあれね。メイクまでの道のりはどんな感じだったの?

K: 『LENZ III』のあれはたぶん 5〜6年ぐらい前で。上の路面が悪すぎて、そのときはテールを弾けなくて。それで「ちんこ〜!」ってなったんすけど(笑)。今回は身体もでかくなってるし、路面が悪いんでクルーザーウィールでトライしたら行けたっす。

V: 合計、何回くらい行ったの?

K: だいぶ行ってると思いますよ。5 回以上は行ってると思います。

V: ローレンス(・キーフ)からも軽く聞いたけど、テールを叩く前にキックアウトされることもあったみたいね。

K: そうなんですよ。行きすぎてどんどん厳しくなっちゃって。

V: あれは大阪のレール?

K: 大阪です。

V: じゃあトライしたいときに、気持ちの準備さえできたら行ける感じで。

K: そうなんですよ。 オグくんとタイミングさえあればって感じだったんですけど。それで井関さんが大阪に来るタイミングがあったから、やっちゃおうかなって。今しかないって思ったっすね。

V: メイクまでの5年間はどういう気持ちであのハンドレールに向き合ってたの? 地元にあるだけに頭の片隅にずっとあるわけでしょ?

K: よくハンドレールの前を通ったりするから、毎回アプローチに立ってみたりして「イケるかな〜」みたいな感じでチェックはしてたんですけど。ずっとやりたいけどやりたくないみたいな感じで。イケそうな気はずっとしてるんですけどみたいな。ずっと決心がつかなかったんですけど、トライしたらイケたっす。

V: 5年越しにメイクしたときはどうだった? もちろん『OKWR』の映像からも喜びは伝わってきたけど。

K: 「最高!」って感じやったっすね。ダルさんとか応援しに来てくれとって。ほぼダルさんパワーやったっすね(笑)。ダルさんが「今行ける!」みたいに合図を出してくれとって。ダルさんとゆうがふたりで並んで合図出してくれるっていう。後輩と大先輩に見守られながら「やるしかねぇ」ってなってたっすね(笑)。

 

V: 小虎は本当に子どもの頃から撮影しているけど、撮影時のこだわりとか粘り方とかに変化を感じることはある?

K: 変わったこと…。でもマジ何も変わってないかもしれないすね(笑)。毎日スケボーして、スポット探して。自分のしたいように好きなスケボーしてるだけです。

V: たとえば今回のちんこレールもそうだけど、撮影がうまくいかないときの心の切り替えはどうしているの?

K: そういうときは一旦忘れて遊ぶっすね。遊んでリフレッシュしてる感じ。

V: 『LENZ III』やEvisenのパート、adidasからソロパートを出したり『SSTR』や今回の『OKWR』。これまでいろんなプロジェクトを形にしてきたけど、自分のなかで「新たなフェーズに突入した」みたいなタイミングってあった?

K: 気持ち的には何も変わってる部分はないんですけど、やっぱ自分のプロデッキが出たときは「身を引き締めていかんな」というか「スケボーに対して真摯にいかなあかんな」っていうのはあったっすね。

V: ではスケートの「上手さ」と「スタイル」のバランスについて、これまでと比べて考え方が変わったとかはある?

K: なんて言うんですかね。スケボー自体のバランスを良くしようとかは一切考えてないですけど、自分が一番気持ちいいスケボーをしてたらああなってるっていうだけで。

V: こだわるポイントが増えた部分とか、逆にシンプルになった部分とかは?

K: 昔よりもコンテストスケーターをリスペクトするようになったことすかね。昔はガン舐めしてたっすけど。「あいつら点数つけてもらいやがってよ」みたいな感じで。最近は「自分の腕だけで戦ってるヤツ、ヤベェな」みたいな(笑)。そう思うようになったっすね。

V: これまでスケートで世界各地、いろんな場所に行ってるよね。これまでどこに行った?

K: いや、行きすぎて自分でもあんま覚えてないすけど、どこすかね…。台湾、韓国、中国…。あとオーストラリア、アメリカとかメキシコ、ヨーロッパもいろいろ回ってるしって感じですね。どこでもツアーがあれば行くって感じです。

V: なかでも印象に残ってる場所は?

K: 自分はデンマークがめっちゃ好きっすね。コペンハーゲンがとりあえず最高すぎて。スケボー天国やしみたいな。人も最高やし、街もきれいやし。「住みてぇ〜」って感じすね。

V: 今回の『OKWR』の撮影でも海外に行ってたよね。傍から見てるとかなり楽しそうだけど、大変なこととかはないの?

K: いや、まったくストレス感じたことがなくて。ずっとノーストレス。たぶん何も深く考えてないんやと思うすね(笑)。

 

V: ではツアー中はどんな感じでセッションしてる?

K: その場におる、一緒にツアー回ってる周りのヤツらの雰囲気とかヴァイブスとかを感じながら自分のスケボーしてる感じです。周りと高め合いながらじゃないすけど、そういう雰囲気ではやってるっすね。

V: では最後に、今後の予定は?

K: adidasで大きいプロジェクトがあって。それでいいの狙えたらなって感じで明日からアメリカに行きます。とりあえず全力で動こうかなって思ってます。
 

Kotora Mitani
@kotora_mitani

2006年生まれ、大阪府出身。幼少期から頭角を現し、ハイスピードでテクニカルから規格外のスポットまで網羅するストリートスケーター。Evisenのプロ、adidas Skateboardingジャパンチームの顔役として活動中。

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