ADIDAS SKATEBOARDING

パークの隅で悪あがき
──ニッチ界隈

2026.10.23

いつからだろうか、初めて行くパークや普段あまり行くことのないパークに行く際のマイルールがあります。それは「それ用に作られていないはずの場所を見つけて攻める」です。バンクやアール、ボックスといった定番の設置物はもちろん、気の利いたパークだとちょっとした段差なんかにもアングルが取り付けられ、グラインドやスライドといったトリックのあれこれがやりやすくなるようになっています。自分が狙うのはそんな加工のされていない場所や、わざわざ通過することのないような、トリックやスケートが想定されていないようなところ。グラインドやウィールの痕跡がない箇所。意外とあるんです、そんな場所が。

わかりやすいもので言えば、アールやランプに設置された柵にストールしてみたり、そこから飛び降りてみたりといったトリック。パーク内にあるそれらの柵は本来プラットフォームからの転落を防止したり、もたれかかったりするために設置されているはず。しかし時にそれとは違った目的でスケーターの標的にされたりもします(自分は怖くて出来ねぇ)。そんなデカブツとはいかなくとも、想像しだいで擦ったり当て込んだりできるところを探してはトリックを捻り出しマーキングしてみる。特に難しいことは狙わず、数回のトライやワンメイクでいけたらラッキー。スポットを新規開拓した時のような満足感を得ることができます。

もはや小学校低学年の児童にすらスケートスキルの敵わない中年おじの悪あがき。しかしそれは仲間らとストリートで滑れそうなスポットを探し回り、良さそうな場所を見つけてはそこをやっつけてみるっていうスケーターの習性や本能といったものが今もまだ機能していることの裏返しだと自分に言い聞かせております。スケートボードの世間認知が進む一方で、ストリート事情が厳しくなるここ日本。もし仮にグラフィティみたく街でのスケートボードが一発アウトになるなんて時代がきても、パーク内での悪あがきなら許されるはず。同時にそれは、ディッチや人の家の裏庭のプールから始まり、世界のストリートへと滑る場所を拡張してきた先駆者たちへのリスペクトも込めていると申しておきましょう。

なので、そこいらのパークで怪しい場所にワックスがけをしてたり、攻めようとしている自分をもし見かけた際には生温かい目で見てやってくださいませ。

—Kazuaki Tamaki(きなこ棒選手)

 



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