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 最近ここのコラムのテーマのごとく無駄に閃いたことがあります。閃いたと…
──第17回:イメファイ

2015.03.24

 最近ここのコラムのテーマのごとく無駄に閃いたことがあります。閃いたというか、当たり前のこととして知っていたことなのですが、それは「イメトレは大事」ってことです。おいおい、いまさら何を言っているんだい? That is 当たり前だ ma~nとなるわけですが、その通りで、僕のこういうのはだいたい無駄でジャンクなのです。まあしかしちょっと説明させてください。

 僕は長いこと膝を怪我していて滑れない時期がありました。スケートボードへの欲求は溜まると随所に出てくるもので、そのうちのひとつとして「スケートをしている夢を見る」という禁断症状をよく経験していました。夢の中で普段できないようなクオリティの360フリップをバッシンバシン決めまくるのです。後ろ足はピンポイントで点を突くような蹴り方をして、前足を前に伸ばすと勝手に板が足に吸い込まれるようにキャッチされて、もうあとはオートマチックにランディング……yeah! 理想の形です。世代的に僕の好きな360フリップは、ジョシュ・ケイリスのように両足を前の方に出してキャッチするようなスタイルですが、クリス・ジョスリンのように両足をパカっと開いてキャッチするような最近系のスタイルもやってみたいものです。

 しかしある日、夢で見たようなまさにその感覚で360フリップを決めることが出来て、その瞬間「ああ、これはあの夢で超絶スキルが身に付いて出来たときの感覚と一緒だーああぁぁぁあぁ」………「あ?」のところで目が覚めました。現実かと思ってパーフェクトな360フリップによろこんでいたら、それもまた夢だったのです。夢の中でさえ「夢で見た感覚」というのを認識するってことは相当同じ夢を見ている証拠、その感覚が身体にインプットされちゃっているということになります。そのせいか最近は現実世界で本当にその感覚に近い感じでできるようになってきました。360フリップは昔からできる技なのですが、段差を降りたり昇ったり、バンクにインしたりアウトしたりと目標物がある設定では不得意だったのですが、最近それも習得してきたのです。

 きっとスケボーがウマいヤツっていうのはそのイメージをちゃんと整理して頭の中に保管するのがとても上手で、出したいときにすぐにそれを出せるんだと思います。僕のように乱雑に保管しておいて欲しいときに探してもどこにあるか分からない、探すのに時間がかかる、最悪見つからない、というのがメイク率の悪さにつながっているように思います。

 イメージすることが大事というのは、スケートボードだけとは限りません。よく「病は気から」と言いますが、これは精神論のようなものです。要するに自分は風邪なんか引いていないと強く信じ、イメージすると気持ちで勝ってしまう、本当に風邪ではなくなってしまう、というものだと思いますが、僕の場合はさらに細かくイメージするようにしています。

 まず風邪の諸症状で鼻の奥が少しムズムズしたり喉が痛かったりしている時、風邪菌が体に入り込むイメージを膨らませそれに対して自分の細胞の兵隊たちをフル稼働させます。防衛軍を呼び出したところで一斉攻撃。それでもまだ相手が詰め寄ってくるときは、ショウガや漢方薬などの武器を摂取し圧倒的な勢力で風邪菌を全滅…というイメージをします。これはイメージトレーニングというよりイメージファイティングですね。僕がうどん屋さんでうどんにたっぷりショウガを入れているときは大抵イメファイの真っ最中です。

 まだ10代の頃よく一緒に滑ってた友達で天才的にスケボーがウマいヤツがいました。普段は何も考えていないような顔をしているのに、スケボーすると、毎日一緒に滑っていたにもかかわらず、見たことないような技をいきなりメイクしたりしていました。なんでウマいのかよくわからないようなキャラでしたが、家に行くとテレビの横に鏡が置いてあって「なんだこれ」と言うと、「鏡でジーノ(・イアヌーチ)のパート見るんだよ。あいつグーフィーだから鏡でみればレギュラーじゃん」。レギュラースタンスの彼は、自分が真似(イメージ)しやすいようにグーフィーの人のパートを鏡で見ていたのです。「普段は何も考えていないようなヤツ」じゃなくて「普段はスケボーのことしか考えていないヤツ」だったワケです。

 イメージは具体的に……ですね。

Daisuke Miyajima
@jimabien

M×M×Mの敏腕スタッフにして自称映像作家のジマこと宮島大介。伝家の宝刀Fs 180フリップをなくした今、どこへ向かっていけばいいのか迷走中。本能の閃きをたよりに書き綴る出口なしコラム。

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